青い空の下、降り注ぐ陽の光。
鳥のさえずりや草木の優しい香り。
そんな自然の息吹を感じながら迎える結婚式は、想像するだけで心が躍りますよね。
近年、チャペルや専門式場だけでなく、公園やガーデン、森やキャンプ場といった自然豊かな場所で挙式・披露宴を行う「自然の中での結婚式」が注目を集めています。
型にとらわれず、お二人らしいオリジナリティ溢れる一日を創り上げられるのが最大の魅力ですが、同時に準備や当日の運営には特有の注意点も存在します。
この記事では、自然の中での結婚式が持つ唯一無二の魅力から、場所選びのポイント、そして後悔しないために知っておくべき注意点と具体的な対策までを、詳しく掘り下げてご紹介します。
自然の中での結婚式、なぜ今人気？その唯一無二の魅力とは
都会の喧騒から離れ、広大な自然の中で行う結婚式は、何物にも代えがたい特別な体験をもたらしてくれます。
画一的な結婚式場では味わえない、その場所ならではの空気感や景観を最大限に活かしたセレモニーやパーティーは、お二人にとってもゲストにとっても忘れられない思い出となるでしょう。
なぜこれほどまでに自然の中での結婚式が多くのカップルに選ばれているのか、その理由を探ってみましょう。
五感を満たす開放感と非日常体験
自然の中で過ごす時間は、私たちの五感を心地よく刺激してくれます。
例えば、森の中で行われるウェディングなら、木々の間を吹き抜ける風の音、土や葉の香り、木漏れ日の揺らめき、そして鳥のさえずりといった、都会では感じることのできない豊かな音や匂い、光に包まれます。
海辺でのウェディングなら、波の音、潮の香り、広がる水平線、そして夕日の美しいグラデーションが感動的な瞬間を彩ります。
このような自然が織りなす壮大な演出は、人工的な装飾だけでは決して表現できません。
ゲストも日常を離れ、心からリラックスした状態で、お二人の門出を祝福してくれるでしょう。
まるでリゾート地に来たかのような非日常感は、参加者全員にとって特別な体験となります。
ゲストとの距離が縮まるアットホームな空間
自然の中での結婚式は、フォーマルな雰囲気だけでなく、カジュアルでアットホームな空間を創り出しやすいという魅力があります。
広々としたガーデンや芝生の上で行うパーティーでは、ゲストは自由に歩き回ったり、座ったり寝転んだりしながら、リラックスして過ごすことができます。
テーブルを囲んでの食事だけでなく、立食形式でゲスト同士が自然と交流したり、子供たちが安全に遊べるスペースを設けたりすることも可能です。
かしこまった雰囲気が苦手な方や、ゲストと近い距離で語り合いたいと考えるカップルにとって、自然の中での結婚式は理想的な選択肢と言えるでしょう。
例えば、焚き火を囲んで語らったり、星空の下でダンスを楽しんだりといった、一般的な結婚式場では難しい演出も実現可能です。
写真や映像に残る最高のロケーション
結婚式の思い出を形として残す上で、写真や映像は非常に重要です。
自然豊かなロケーションは、それだけで絵になる美しい背景を提供してくれます。
緑豊かな森、広大な青空、美しい海岸線、季節の花々が咲き誇るガーデンなど、どんな瞬間を切り取っても、息をのむような素晴らしい写真や映像が残せるでしょう。
特に、自然光を活かした撮影は、人物をより美しく、場の雰囲気をより魅力的に捉えることができます。
夕暮れ時のマジックアワーや、星空の下でのナイトフォトなど、時間帯によって全く異なる表情を見せる自然の中で、お二人だけの特別な瞬間を記録することができます。
プロのカメラマンも、自然を背景にした撮影はクリエイティブな発想を刺激されると言います。
憧れを叶える！自然の中での結婚式スタイルと場所選び、そして注意点
自然の中での結婚式と一口に言っても、そのスタイルや選べる場所は多岐にわたります。
どのような雰囲気の結婚式にしたいのか、ゲストの顔ぶれや人数、そして予算などを考慮しながら、お二人にぴったりの場所を見つけることが成功の鍵となります。
しかし、同時に自然環境ならではの注意点も存在するため、場所選びの段階でしっかりと把握しておくことが大切です。
多様なロケーションの魅力と選び方
自然の中での結婚式で人気のロケーションには、様々なタイプがあります。
緑豊かなガーデンウェディングは、季節の花々や樹木に囲まれ、華やかさとナチュラル感を両立させたいカップルにぴったりです。
森の中でのウェディングは、神秘的で落ち着いた雰囲気を演出し、まるで物語の世界に入り込んだかのような特別な体験ができます。
海辺でのウェディングは、開放的でリゾート感溢れる雰囲気が魅力。
砂浜や波打ち際でのセレモニーは、忘れられない思い出となるでしょう。
その他にも、広大な敷地を持つ公園、美しい湖畔、歴史を感じさせる古民家の庭、果樹園や農園など、ユニークな場所も選択肢に入ります。
場所を選ぶ際は、お二人のイメージする雰囲気に合っているか、アクセスはどうか、収容人数は合うか、そして何よりもその場所が結婚式やイベントでの利用を許可しているかを確認することが非常に重要です。
私有地や公共の場所など、場所によって利用規約や申請が必要になる場合があります。
天候リスクと具体的な備え
自然の中での結婚式において、最も避けて通れないのが天候のリスクです。
快晴であれば最高のロケーションとなりますが、雨や強風、猛暑や極寒といった悪天候に見舞われる可能性もゼロではありません。
天候に左右されないための対策を事前にしっかりと計画しておくことが、後悔しないための絶対条件です。
具体的には、雨天時の代替会場や、テント、タープなどの雨よけを準備しておくこと。
風が強い場合の装飾や設営の対策。
暑さ対策として、扇風機やミストシャワー、日陰になる休憩スペースの確保。
寒さ対策として、ストーブやブランケット、温かい飲み物の提供などが挙げられます。
また、季節によって気候は大きく変動するため、どの時期に挙式を行うかによって準備すべき内容も変わってきます。
例えば、夏のガーデンウェディングなら虫よけ対策も必須ですし、秋の森でのウェディングなら落ち葉の掃除や防寒対策が重要になります。
設備や環境の問題への対処法
専門の結婚式場とは異なり、自然の中の会場では、基本的な設備が整っていない場合があります。
トイレ、更衣室、電源、音響、照明、キッチン設備などが不足している可能性を考慮し、必要なものを手配する必要があります。
例えば、ゲストの人数に見合った仮設トイレの手配や、着替えやメイク直しができる控え室の確保が必要です。
また、音響設備や照明が必要な場合は、発電機や専門業者の手配も検討しなければなりません。
特に電源の確保は、音響や照明、ケータリングの保温・保冷など、様々な場面で必要となるため、事前に供給能力を確認し、不足する場合は発電機の手配が不可欠です。
さらに、会場によってはバリアフリーに対応していない場合もあるため、高齢のゲストや体の不自由なゲストがいる場合は、移動手段や会場内の導線について特別な配慮が必要になります。
これらの設備や環境に関する課題を一つずつクリアしていく計画性が求められます。
理想のウェディングを実現する準備の進め方と費用管理
自然の中での結婚式は、自由度が高い反面、準備に手間がかかることも事実です。
専門式場のようにパッケージ化されたプランが少ないため、一つ一つを自分たちで手配したり、判断したりする必要があります。
しかし、その手間をかけるからこそ、お二人だけの特別な一日を創り上げることができます。
ここでは、理想の結婚式を実現するための具体的な準備の進め方と、費用を賢く管理するためのポイントをご紹介します。
プランナー選びと必要な手続き
自然の中での結婚式を成功させるためには、経験豊富なウェディングプランナーのサポートが非常に心強い味方となります。
特に、アウトドアウェディングやオーダーメイドウェディングの実績があるプランナーであれば、場所探しから必要な手配、予期せぬトラブルへの対応まで、専門的な知識とネットワークを活かしてサポートしてくれます。
自分たちだけで全てを進めるのは大変な労力がかかるため、プロの力を借りることも検討しましょう。
また、自然の中の会場を利用する場合、公共の場所であれば公園の使用許可や道路の使用許可、火気使用の許可など、様々な行政手続きが必要になる場合があります。
私有地であっても、イベント開催に関する規約や、騒音に関する近隣への配慮など、確認すべき事項は多岐にわたります。
これらの複雑な手続きについても、経験豊富なプランナーであればスムーズに進めるサポートが期待できます。
ゲストへの丁寧な配慮と情報提供
自然の中での結婚式は、一般的な結婚式とは異なる点が多く、ゲストに不安を感じさせてしまう可能性があります。
特に、会場までのアクセス方法、当日の服装、設備（トイレなど）の状況、天候による可能性のある変更点などについては、事前に丁寧な情報提供を行うことが非常に重要です。
招待状に詳細な地図や公共交通機関、駐車場の情報を記載したり、特設のウェブサイトを作成して情報を集約したりすると良いでしょう。
ゲストが安心して参加できるよう、会場の雰囲気や当日の過ごし方について、具体的にイメージできるような情報を伝えることを心がけましょう。
例えば、「自然の中での式なので、動きやすい服装や靴をおすすめします」「ヒールの方は、芝生でも歩きやすいように、ヒールカバーや別の靴をご持参いただくと安心です」「雨天の場合は、〇〇（代替会場名）にて行います」といった具体的な案内があると、ゲストは準備がしやすくなります。
また、会場によっては虫が多い場合があるため、虫よけスプレーの持参をお願いしたり、会場に用意したりするなどの配慮も喜ばれます。
費用管理と予算オーバーを防ぐコツ
自然の中での結婚式は、会場費が比較的安く抑えられるイメージがあるかもしれませんが、実際には様々な費用が発生するため、トータルで考えると専門式場と大きく変わらない、あるいはそれ以上になることもあります。
会場使用料の他に、テントやテーブル、椅子、音響、照明、発電機などのレンタル費用、ケータリング費用、装飾費用、送迎バスの手配費用、そして雨天時などのための予備費用など、多岐にわたる項目を考慮する必要があります。
事前に詳細な見積もりを作成し、何にどれくらいの費用がかかるのかを把握することが予算管理の第一歩です。
予算オーバーを防ぐためには、優先順位を明確にし、削れる部分は削る勇気も必要です。
例えば、装飾をDIYで行ったり、一部のアイテムを持ち込みにしたりすることで費用を抑えることが可能です。
また、複数の業者から見積もりを取り、比較検討することも重要です。
予備費として、全体の10%～20%程度を見積もっておくと、急な出費にも対応できて安心です。
まとめ
自然の中での結婚式は、五感を満たす開放感、ゲストとの距離が縮まるアットホームな雰囲気、そして写真映えする最高のロケーションといった、唯一無二の魅力に溢れています。
森やガーデン、海辺など、多様なロケーションからお二人のイメージにぴったりの場所を選び、自分たちらしい自由なスタイルで一日を創り上げることができます。
しかし、その反面、天候リスクや設備の問題、アクセスなど、自然環境ならではの注意点も存在します。
成功させるためには、これらの注意点を事前にしっかりと把握し、具体的な対策を立てることが不可欠です。
経験豊富なプランナーに相談したり、必要な許可申請を確実に行ったり、ゲストへの丁寧な情報提供を心がけたりすることで、安心して準備を進めることができます。
費用管理も重要であり、詳細な見積もり作成と予備費の確保は欠かせません。
準備には手間がかかるかもしれませんが、一つ一つを丁寧に進めることで、きっとお二人にとって、そしてゲストにとっても忘れられない、心温まる素晴らしい自然の中での結婚式を実現できるでしょう。
