結婚式の「会費制」と「ご祝儀制」、ゲストに失礼なく伝える方法とマナー違反を避ける注意点
結婚式のご招待状に、一体いくら包むべきか頭を悩ませた経験はありませんか?ゲスト側がそうであるように、新郎新婦側もまた、ゲストに「会費制」なのか「ご祝儀制」なのかを失礼なく伝える方法に悩むものです。
特に近年、会費制の結婚式が増加傾向にあり、その伝え方やマナーについて戸惑う方が少なくありません。
この記事では、結婚式のスタイルに合わせてゲストに失礼なく会費制・ご祝儀制を伝える方法と、うっかりやってしまいがちなマナー違反を避けるための注意点を、具体的な例文を交えながら詳しく解説します。
お二人の結婚式を、ゲストにも心から祝福してもらえるような、温かいものにするためのお手伝いができれば幸いです。
招待状で会費制・ご祝儀制を明確に伝えるための配慮
結婚式の招待状は、ゲストにとって結婚式当日の情報を得るための最初の公式な案内です。
この招待状の段階で、会費制かご祝儀制かを明確に伝えることは、ゲストの準備をスムーズにし、後々の誤解やトラブルを防ぐために非常に重要です。
特に会費制の場合、その旨をどのように記載すれば、ゲストに失礼なく、かつ理解してもらえるかが鍵となります。
ご祝儀制の場合でも、ゲストによっては「いくら包むのが相場か」と悩む方もいるため、配慮のある一言を添えることで、より丁寧な印象を与えることができます。
会費制結婚式における招待状の記載方法と心遣い
会費制の結婚式を伝える際に最も大切なのは、「会費」という言葉を直接的に使いすぎず、ゲストへの感謝の気持ちを伝える形にすることです。
例えば、「お二人の門出を祝う会」といった表現を使い、その下に「当日、会費として〇〇円を頂戴いたします」と添えるのが一般的です。
この「頂戴いたします」という言葉遣いが、一方的に徴収するのではなく、感謝の意を込めて受け取るというニュアンスを伝えます。
また、会費制であっても、「お心遣い」という言葉を添えることで、さらに丁寧な印象になります。
例えば、「ご多忙の中、お越しくださる皆様には、ささやかではございますが、お心遣いとして会費〇〇円を頂戴いたします。
」のように記載すると、ゲストへの感謝の気持ちがより伝わりやすくなります。
さらに、会費制であっても、「平服でお越しください」といったドレスコードの指定は、一般的には避けるのがマナーです。
会費制だからといって、ゲストの服装まで制限する必要はありません。
ただし、もし会場の雰囲気に合わせた服装の希望がある場合は、「平服でお越しください。
ただし、もしよろしければ、〇〇(例:明るい色の服装、フォーマルな装いなど)でお越しいただけますと幸いです。
」のように、あくまでもお願いする形で伝えるのが良いでしょう。
会費制の場合、会費の徴収方法も事前に明確に伝えることが大切です。
当日受付で現金で徴収するのか、事前に銀行振込でお願いするのかなど、ゲストが迷わないように、招待状の返信ハガキの裏面や、別途同封する案内状に記載しておくと親切です。
例えば、「当日受付にて現金で頂戴いたします。
」「誠に恐縮ながら、〇月〇日までに下記口座へお振込みいただけますようお願い申し上げます。
」といった具体的な案内を添えましょう。
ご祝儀制結婚式で「会費」を伝える場合の配慮と注意点
ご祝儀制の結婚式で、一部のゲスト(例えば、友人中心の披露宴など)に会費制を適用する場合や、会費制とご祝儀制を組み合わせる場合は、特に慎重な配慮が必要です。
この場合、「会費」という言葉を使うと、ご祝儀を渡すゲストとの間で不公平感を生じさせる可能性があります。
そのため、このようなケースでは、「会費」という言葉を避け、**「お車代」や「お土産代」といった名目で、ゲストの負担を軽減する形を伝える**のが一般的です。
例えば、「当日、皆様にはささやかではございますが、お車代として〇〇円をご用意いたしました。
」といった表現が考えられます。
これは、ゲストが結婚式に参列するためにかかる交通費などを、新郎新婦側が一部負担するという意味合いになります。
あるいは、**「お楽しみ抽選会」や「プチギフト」といった形で、ゲストに還元する形を伝える**ことで、実質的な負担感を和らげる方法もあります。
例えば、「皆様に楽しんでいただけるよう、ささやかですが、お楽しみ抽選会をご用意しております。
」といった案内を添えることで、ゲストの期待感を高め、会費制の要素を自然にカバーすることができます。
最も注意すべきは、ご祝儀を渡すゲストと、会費を徴収するゲストの間で、招待状の表現に差がありすぎないようにすることです。
もし、招待状の形式が同じであれば、別途、会費制のゲストにのみ個別に案内を送るなどの配慮が必要です。
また、親族や上司など、格式を重んじるゲストには、会費制ではなく、通常の「ご祝儀制」でお願いすることを明確に伝える必要があります。
結婚式の会費制・ご祝儀制におけるマナー違反を避けるための注意点
会費制・ご祝儀制、どちらのスタイルを選択するにしても、ゲストに失礼なく、かつマナー違反を避けるためには、いくつかの注意点があります。
特に、ゲストが「いくら包むべきか」「どのような服装で行くべきか」といった疑問を抱かないように、事前の情報提供と、当日の配慮が重要になります。
会費制で避けるべきマナー違反と、その代替案
会費制の結婚式で最も避けたいマナー違反は、「会費」という言葉を一方的に、あるいは高圧的に伝えることです。
例えば、招待状に「会費〇〇円」とだけ記載し、感謝の言葉などが一切ない場合、ゲストは「お金を徴収されている」という印象を強く受け、不快に感じる可能性があります。
また、会費の金額設定が、ゲストの経済状況を考慮していない場合も問題です。
特に、学生や社会人になりたての友人など、経済的に余裕のないゲストが多い場合は、会費が高すぎると参列を断られてしまう可能性もあります。
会費を設定する際は、ゲスト層の経済状況を考慮し、無理のない範囲で設定することが重要です。
さらに、会費制だからといって、お礼の品(引き出物)を省略するのは避けるべきです。
会費制であっても、ゲストは結婚式に参列し、お祝いの気持ちを伝えてくれています。
感謝の気持ちを込めて、引き出物やプチギフトを用意することは、ゲストへの敬意を示す上で非常に大切です。
代替案としては、「会費」という言葉を避け、「参加費」や「パーティ代」といった表現を用いることも考えられます。
しかし、これも伝え方によっては、ゲストに不快感を与えかねないため、あくまでも感謝の気持ちを前面に出した表現を心がけるべきです。
例えば、「皆様にお楽しみいただけるよう、ささやかではございますが、お料理やドリンク、会場費の一部として、お一人様〇〇円のご負担をお願いしております。
」のように、具体的な内容を伝えることで、ゲストも納得しやすくなります。
ご祝儀制で「会費」に類するものを伝える場合の配慮
ご祝儀制の結婚式で、一部のゲストに会費制に近い形をお願いする場合、あるいは、ご祝儀とは別に「お車代」や「お礼」として金銭を渡す場合も、「会費」という言葉は一切使わないようにしましょう。
ご祝儀制の基本は、ゲストが新郎新婦の門出を祝う気持ちとして金銭を贈ることにあります。
そこに「会費」という言葉が入ると、本来の趣旨が損なわれてしまいます。
もし、ご祝儀とは別に、ゲストの負担を軽減したいという意図がある場合は、先述したように**「お車代」や「お土産代」といった名目で、感謝の気持ちとしてお渡しする**形をとります。
この際、招待状に記載するのではなく、当日受付で渡すか、あるいは、返信ハガキの返送と合わせて、個別に案内を送るなどの方法が考えられます。
また、ご祝儀を渡すゲストと、会費(またはそれに類するもの)を徴収するゲストで、招待状の送付時期や内容に差をつけないことも重要です。
もし、招待状の内容に差がある場合、ゲスト間で「なぜ自分だけ違うのだろう」という疑問や不公平感を生む可能性があります。
招待状はあくまでも全員に同じ内容で送付し、会費制に近い形をお願いするゲストには、別途、個別に丁寧な説明を行うのが、マナーとして適切です。
さらに、ご祝儀を渡すゲストに対して、会費制の結婚式であることを匂わせるような発言は絶対に避けるべきです。
例えば、「今回は会費制だから、ご祝儀は少なめで大丈夫だよ」といった発言は、相手にご祝儀の金額を意識させてしまい、失礼にあたります。
あくまでも、ご祝儀制の結婚式として、ゲストが自由に金額を決めてお祝いの気持ちを伝えられるように配慮することが大切です。
まとめ
結婚式の「会費制」と「ご祝儀制」の伝え方、そしてマナー違反を避けるための注意点について解説してきました。
どちらのスタイルを選択するにしても、最も大切なのは「ゲストへの感謝の気持ち」を伝えることです。
会費制の場合は、会費という言葉を直接的に使いすぎず、丁寧な言葉遣いで感謝の意を込めて伝えることが重要です。
ご祝儀制の場合でも、ゲストの負担を考慮し、配慮のある言葉を添えることで、より温かい結婚式になります。
招待状の記載内容、会費の徴収方法、引き出物の有無、そして服装の指定など、細部にわたってゲストへの配慮を忘れないようにしましょう。
これらの点を踏まえ、お二人らしい素敵な結婚式を、ゲストと共に心から楽しんでください。

