結婚式の費用はどう決まる?基本構成と相場感を押さえよう
結婚式にかかる費用は、単に「挙式と披露宴にいくらかかるか」だけでは測れません。
会場のグレード、招待人数、料理や衣装のこだわり、さらには写真や演出といった細かい部分に至るまで、さまざまな要素が積み重なって全体の金額が決まっていきます。
だからこそ、相場を把握するだけでなく、「何にどれだけかかるのか」という内訳を理解することが大切です。
たとえば全国平均では、挙式から披露宴までを含むトータル費用は約300〜350万円程度とされていますが、これはあくまで目安。
選ぶスタイルや希望内容によって、もっと抑えられることもあれば、反対に高額になるケースもあります。
予算内で理想の式を実現するためには、費用構成の基本を知り、どこにこだわるか、どこを調整するかを見極める視点が必要です。
挙式スタイルによって費用が変わる
結婚式の形式は大きく分けて「教会式(チャペル式)」「神前式」「人前式」の3つが一般的です。
それぞれに雰囲気や意味合いが異なり、費用にも大きな違いが出てきます。
例えばチャペル式は、教会やチャペルで神父または牧師の進行のもと行うスタイルで、装花や聖歌隊、オルガン演奏など演出が豊富な分、費用がやや高めになる傾向があります。
一方、神前式は神社や神殿で行い、伝統的な儀式や装束が求められるため、衣装代や神社使用料が費用に影響することがあります。
それに対して人前式は、宗教色を排除し、ゲストの前で誓いを立てる自由な形式です。
オリジナリティを出せる一方で、演出や進行次第で費用は幅広く変動します。
費用を抑えつつもアットホームな式にしたい場合、人前式は選択肢として有力です。
基本料金に含まれる費用項目とは
式場が提示する「基本プラン」や「見積もり」に含まれる項目には、一定のパターンがありますが、その中身をしっかり確認しておくことが重要です。
一般的に含まれるのは、会場使用料、挙式演出プラン、プロ司会者費用、音響照明代、サービス料などです。
たとえば、会場使用料にはチャペルや披露宴会場の貸切代が含まれ、人気のあるシーズンや土日は料金が高くなる傾向があります。
挙式演出プランにはバージンロードの装飾や入退場のBGM、リングピローなどのアイテムも含まれていることが多く、一見すると豪華に見えても、実は演出の選択肢が限られているケースもあるので要注意です。
また、プロ司会者の進行に加え、音響照明代にはマイクやスピーカーの使用料だけでなく、BGMの選曲・操作や照明演出のオペレーター費用なども含まれている場合があります。
サービス料については、料理やドリンクなど接客にかかるスタッフ費用の一部として加算されるもので、全体費用の10%〜15%程度に設定されることが一般的です。
見落としがちな追加費用にも注意

結婚式の見積もりで忘れてはならないのが、基本料金には含まれない追加費用の存在です。
これらは見積もりの初期段階では目立たず、後になってから気づいて慌てるケースが少なくありません。
たとえば、衣装や小物を外部から持ち込む場合にかかる「持ち込み料」は、その都度数万円単位で発生することもあります。
また、全体費用には「消費税」が加算されるため、税抜き表示の見積書には特に注意が必要です。
さらに、式当日の新郎新婦の移動にかかる「送迎費」や、親族の衣装を式場で用意した場合の「親族衣装負担」など、周囲のサポートにかかる費用も見逃せません。
天候や事情により急な変更が生じた際には、「会場キャンセル料」や「日程変更料」が発生することもあるため、契約前に規約をしっかり確認しておくことが大切です。
最初の見積もりがすべてではないという認識を持つことが、後悔しない結婚式準備の第一歩です。
費用がかさむポイントを徹底解説!こだわりたい部分とその相場

結婚式の費用は、大きく分けて「基本プラン」と「こだわりオプション」のふたつで構成されています。
このうち、費用がかさむ最大の要因となるのが“こだわりたい部分”のアップグレードです。
招待するゲストの人数や式場の規模が同じでも、料理の内容、衣装の選び方、演出や装花のグレードによって、最終的な金額は大きく変わってきます。
理想の式に近づけるために「ここは譲れない」と考えるポイントが多いほど、当然ながら費用は上がっていきます。
しかし、すべてにこだわりを詰め込むと予算オーバーになるリスクも高くなるため、優先順位を見極めてバランスをとることが重要です。
ここでは、特に費用がかさみやすい代表的なポイントをピックアップし、それぞれの相場感や注意点を具体的に紹介します。
料理・ドリンクのグレードアップはどれくらい費用差が出る?
披露宴で最もゲストの印象に残る要素のひとつが料理とドリンクです。
だからこそ、多くのカップルが「料理は妥協したくない」と感じ、料理グレードアップを選択するケースが多くなります。
プランによっては1人あたり5,000円から1万円以上の差が出ることもあり、招待人数が多いほど総額に大きく影響します。
たとえば、標準プランで1人1万2000円程度の料理コースが、グレードアップすると1万8000円前後になることも。
さらに、ドリンクの内容にワインやカクテル、ノンアルコールの充実したメニューを加えると、1人あたり2,000〜3,000円の追加費用が発生する場合があります。
つまり、料理とドリンクのアップグレードだけで、100人規模の披露宴なら数十万円の差が出る可能性があるということです。
ただし、ゲスト満足度や「美味しかった」との声が多くなる要素でもあるため、演出よりも料理に重点を置く考え方も有効です。
衣装代・ヘアメイクにこだわった場合の注意点
衣装は、新郎新婦それぞれにとって最も特別なアイテムのひとつです。
ドレスやタキシードはもちろん、和装やカラードレスを追加したいと考える人も少なくありません。
しかし、衣装代は一着ごとの単価が高いため、こだわればこだわるほど費用が膨らみます。
一例として、ウエディングドレスのレンタル費用は平均20〜30万円、ブランドドレスや新作になると50万円を超えることもあります。
新郎のタキシードも平均10万円前後ですが、オーダーメイドやデザイン性の高いものになると追加料金が必要です。
さらに、衣装に付随する新郎新婦ヘアメイクやリハーサル料も見落とせません。
リハーサル料は数万円、当日のヘアチェンジを含めると10万円近くかかるケースもあります。
また、親族の衣装を式場でレンタルする場合、親族衣装負担として各自2万〜5万円ほどの出費になることがあるため、親族間で事前に話し合いが必要です。
「衣装をたくさん着たい」「お色直しで印象を変えたい」と思っていても、予算との相談が欠かせません。
費用を抑えるには、提携衣装店以外でのレンタルや、持ち込み可能かどうかの確認も大切です。
装花・ウェディングケーキ・演出にかかる費用とは
装花やウェディングケーキといった装飾系の演出は、見た目の華やかさを演出する重要な要素ですが、「少しこだわるだけ」で費用が跳ね上がることが多い項目です。
装花費用は、テーブルごとや会場装飾の範囲によって変動し、基本的なテーブル装花だけでも1卓あたり1万円〜1万5000円前後。
高級感のある花材やボリュームを求めると、それだけで数十万円に達するケースもあります。
ウェディングケーキも、見た目がシンプルなイミテーションではなく、生ケーキを選ぶと1段ごとに費用が加算されることが一般的です。
デザインに凝ったケーキは5万円以上になることも珍しくありません。
また、フラワーシャワーやバルーンリリースなどの演出費用も、小規模なもので2万円前後、大規模な演出では5万円以上かかる場合もあります。
さらに余興にかける費用も見逃せません。
たとえばプロの演奏者やパフォーマーを依頼した場合、10万円を超えるケースもあります。
ゲストに楽しんでもらうための工夫ではありますが、費用とのバランスをとることが大切です。
会場の華やかさや記憶に残る演出を大切にしたい人にとっては、装花や演出費用への投資は効果的ですが、事前にしっかりと見積もりを確認し、優先度を明確にすることが肝心です。
見積もりと実際の費用のギャップをなくすには

結婚式の準備でよく耳にするのが「見積もりよりも実際の支払いがずっと高かった」という声です。
その大きな原因は、初期見積もりに含まれていない細かな項目が、最終的に追加されていくためです。
打ち合わせを重ねるごとに「やっぱりこれも入れたい」と希望が膨らみ、気づけば当初よりも数十万円高くなっていた、ということは珍しくありません。
こうしたギャップをなくすには、まず見積もりの内容を丁寧に確認し、何が含まれていて何が含まれていないかを明確にすることが不可欠です。
とくに「これはプランに含まれていると思っていたけど、実は別料金だった」という項目は要注意です。
また、後から追加になるオプションを見越して、最初からある程度の予算枠を設けておくと安心です。
結婚式は人生の中でも特別なイベントだからこそ、準備段階で見落としがちな細部にこそ、納得のいくお金の使い方が問われます。
見積もりを「ゴール」ではなく「スタート」と捉えることが、賢い費用管理の第一歩です。
見積書のチェックポイントとペーパーアイテムの扱い
見積書を確認する際には、まずペーパーアイテムに目を向けましょう。
招待状や席次表、メニュー表といった印刷物は、見積もりではざっくりと「ペーパーアイテム一式」と記載されていることが多いですが、実際には1点ごとに費用がかかるため、思った以上に総額が高くなるケースがあります。
たとえば、招待状は1通あたり500円前後、引き出物や引き菓子も、それぞれ1人当たり3,000円前後が相場とされていますが、内容にこだわると1万円近くになることもあります。
さらに、引き出物はゲストの属性によって内容を変えることも多く、個別対応が必要になると手間もコストも増えます。
見積書で「一式」と書かれている項目ほど、内訳を担当者に確認し、数量や単価が正しく見積もられているかをチェックする習慣をつけましょう。
紙ものを自作する・外注するという選択肢もありますが、持ち込み料が発生する場合もあるため、事前にルールを確認しておくと安心です。
写真・映像・アルバム撮影はどこまで頼むべきか
結婚式の思い出を「かたち」として残す写真や映像は、多くの新郎新婦が重要視する項目です。
しかし、写真撮影ビデオや撮影アルバムは費用の幅が非常に広く、どこまで依頼するかによって数万円から数十万円の差が出てきます。
たとえば、挙式・披露宴のスナップ写真だけを依頼する場合と、挙式前のメイキングやゲストの表情を含めたドキュメント映像まで残す場合では、撮影スタッフの人数や稼働時間が異なり、それに応じて費用が加算されます。
さらに、撮った写真をどのようにアルバムにまとめるかによっても、価格帯は変動します。
高級アルバムのような装丁にすると、10万円を超えることも珍しくありません。
後悔しないためには、完成イメージを事前に確認し、自分たちが残したい思い出の優先順位を決めておくことが大切です。
全てをプロに任せなくても、友人や家族に一部撮影を依頼するなど、コストと満足度を両立する方法もあります。
二次会費用と予算の全体バランスを考える
挙式や披露宴に続いて、二次会を開催するカップルも多く見られますが、この二次会費用も全体の予算設計に大きな影響を与える要素のひとつです。
特に「結婚式の費用を抑えたつもりだったのに、二次会を入れたらトータルでオーバーしてしまった」という声は少なくありません。
二次会はカジュアルな雰囲気で、居酒屋やレストランで行われることが多いですが、会場の使用料に加えて、料理・飲み放題プラン、景品、司会者や余興の費用などが加わると、1人あたり8,000〜1万2000円程度のコストになる場合もあります。
参加費である程度回収できるとはいえ、新郎新婦の持ち出し分が数万円〜十万円に達することもあるため、事前にしっかりとシミュレーションしておくことが肝心です。
また、二次会専用のプランやパッケージを用意している店舗もあるので、そうしたものを活用することでコストの見通しが立てやすくなります。
全体の結婚式費用を把握するうえで、二次会まで含めた「トータル予算」で考えることが、賢いお金の使い方につながります。