結婚式への招待状を受け取ったとき、嬉しい気持ちと同時に「返信メッセージってどう書くんだっけ?」「失礼なことは書きたくないな…」と、ちょっぴり不安になる方も多いのではないでしょうか。
特に、普段あまり手紙を書く機会がない方にとっては、いざ筆をとるとなると、どんな言葉を選べば良いのか、どんなマナーがあるのか、色々と気になってしまいますよね。
大切な二人の門出をお祝いするメッセージだからこそ、失礼なく、そして心からの祝福の気持ちを伝えたいものです。
この記事では、メッセージを書く際に注意したい結婚式招待状マナーについて、基本から応用まで詳しく解説します。
これを読めば、安心してメッセージを書けるようになるはずです。
結婚式招待状の返信メッセージ、押さえておきたい基本マナー
結婚式招待状の返信メッセージを書く際には、いくつかの基本的なマナーがあります。
これらは単なる形式ではなく、お二人の新しい門出を心から祝い、敬意を示すための大切な配慮です。
まず、どのような点に気をつけるべきか、その理由とともに理解しておきましょう。
特に、普段の文章作成では気にしないような独特のルールがあるため、事前に確認しておくことが重要です。
これらのマナーを守ることで、受け取った新郎新婦も気持ちよく返信はがきを受け取ることができ、あなたの丁寧な心遣いが伝わるでしょう。
形式的な部分だけでなく、その背景にある「なぜそうするのか」という理由を知ることで、より自然にマナーを身につけることができます。
句読点を使わない理由と、避けるべき忌み言葉・重ね言葉
結婚式のメッセージでは、一般的に句読点(「、」「。
」など)を使用しないのがマナーとされています。
これは、結婚に「終止符を打つ」ことを連想させないため、また、二人の関係に「区切りをつけない」という願いを込めるためと言われています。
代わりに、句読点を打つべき箇所では、スペース(空白)を使って調整します。
例えば、「ご結婚おめでとうございます。
末永くお幸せに。
」と書きたい場合は、「ご結婚おめでとうございます 末永くお幸せに」のようにスペースを入れます。
慣れないと少し読みにくいかもしれませんが、これが結婚式における伝統的な表現方法の一つです。
また、結婚式のようなお祝いの場では、不幸や別れを連想させる「忌み言葉」や、再婚を連想させる「重ね言葉」を避けるのが鉄則です。
忌み言葉としては、「別れる」「切れる」「終わる」「破れる」「壊れる」「去る」「冷える」「戻る」「再び」「重ねる」「繰り返す」「再度」などがあります。
例えば、「お二人の絆が切れないように」ではなく、「お二人の絆がより一層深まりますように」と言い換えるのが適切です。
重ね言葉としては、「重ね重ね」「くれぐれも」「たびたび」「しばしば」「ますます」「いよいよ」「追って」「再度」などがあります。
「ますますお幸せに」はよく使われる表現ですが、厳密には重ね言葉にあたるため、「これから一層お幸せに」のように言い換える方がより丁寧です。
これらの言葉をうっかり使ってしまうと、意図せず相手に不快な思いをさせてしまう可能性もあります。
メッセージを書く前に、一度使用する言葉をチェックする習慣をつけると安心です。
句読点を使わずスペースで調整すること、そして忌み言葉や重ね言葉を避けることは、お二人の未来への配慮を示す大切なマナーなのです。
失礼にならない!返信はがきへの書き方と使用する筆記具
結婚式招待状の返信はがきには、いくつかの書き方のルールがあります。
まず、宛名の下に書かれた「行」や「宛」は、敬称である「様」に書き換える必要があります。
このとき、元の「行」や「宛」を消す際は、定規を使って縦に二重線を引くのが最も丁寧な方法です。
横書きの場合は横に二重線を引きます。
修正液や修正テープは使わないのがマナーです。
次に、出席・欠席を選ぶ欄では、どちらかに丸をつけ、「御出席」「御欠席」の「御」や「御芳名」「御芳」を二重線で消します。
出席する場合は「御出席」の「御」と「御欠席」をすべて消し、「出席」の文字を丸で囲みます。
欠席する場合はその逆です。
名前を書く欄の「御芳名」や住所を書く欄の「御芳」も同様に二重線で消し、自分の名前や住所を書きます。
メッセージ欄は、はがきの裏面の余白やメッセージ記入欄に書きます。
もしメッセージ欄がない場合でも、裏面の余白に書くことができます。
その際も、句読点を使わずにスペースで調整し、忌み言葉や重ね言葉を避けるという基本マナーは変わりません。
使用する筆記具は、黒または濃い青のインクの万年筆や毛筆、またはボールペンが適しています。
インクの色が薄いものや、消せるボールペン、鉛筆などは避けるべきです。
特に目上の方への返信や格式を重んじる場合は、万年筆や毛筆がより丁寧とされています。
しかし、最近では黒のボールペンで書くのが一般的になってきています。
大切なのは、丁寧な文字で心を込めて書くことです。
文字の上手い下手よりも、一文字一文字を丁寧に書く姿勢が相手に伝わります。
返信はがきは、新郎新婦がゲストの出欠を確認するための大切なものです。
マナーを守って速やかに返信することで、お二人の準備をスムーズに進める手助けにもなります。
相手別メッセージの書き方:親族、友人、上司への例文と配慮
結婚式招待状のメッセージは、送る相手との関係性によって適切な言葉遣いや内容が変わってきます。
親しい友人へのメッセージと、普段お世話になっている上司へのメッセージでは、使う言葉の丁寧さや、メッセージに込める個人的なエピソードの度合いなどが異なります。
相手に合わせたメッセージを書くことで、より気持ちが伝わり、受け取った方も嬉しく感じるでしょう。
ここでは、主な相手別のメッセージの書き方のポイントと例文をご紹介します。
それぞれの関係性に応じた配慮をすることで、あなたの心遣いがより一層輝きます。
大切なのは、形式的な挨拶だけでなく、あなたらしい言葉で、お二人への祝福の気持ちを伝えることです。
親族や大切な友人へ送る温かいメッセージのコツ
親族や特に親しい友人へのメッセージは、比較的フランクな言葉遣いでも問題ありませんが、最低限のマナー(句読点、忌み言葉・重ね言葉 avoidance)は守るのが基本です。
親しい間柄だからこそ、定型文だけでなく、具体的なエピソードや思い出を交えることで、よりパーソナルで心温まるメッセージになります。
例えば、二人の馴れ初めを知っている場合は、その時の印象や、結婚報告を受けた時の感動などを具体的に書くと良いでしょう。
また、二人の人柄に触れる言葉や、結婚を心から喜んでいる気持ちをストレートに表現するのも喜ばれます。
例文(親族向け):
「この度はご結婚誠におめでとうございます 〇〇ちゃんが素敵な方と巡り逢い結婚されること 自分のことのように嬉しく思っております 結婚式当日を楽しみにしています お二人の末永いお幸せを心よりお祈り申し上げます」
例文(友人向け):
「〇〇結婚おめでとう! □□さんとの幸せいっぱいの報告を受けて本当に嬉しいです 初めて□□さんに会った時の〇〇の嬉しそうな顔が忘れられません 結婚式で素敵な二人に会えるのを楽しみにしています! 落ち着いたらまたゆっくり話を聞かせてね 末永くお幸せに!」
このように、親族へは丁寧さを保ちつつ温かさを、友人へは親愛の情を込めた言葉を選ぶのがポイントです。
形式的な挨拶だけでなく、あなたならではの言葉で二人の幸せを願う気持ちを伝えましょう。
上司や目上の方への丁寧なメッセージ例
上司や会社の先輩、恩師など、目上の方へのメッセージは、丁寧さと敬意を最優先に考えましょう。
言葉遣いはもちろんのこと、内容は簡潔かつ失礼のないようにまとめることが大切です。
個人的なエピソードを詳しく書きすぎるのは避け、フォーマルな表現を心がけます。
まずはお祝いの言葉を述べ、結婚式への出席を楽しみにしている気持ちを伝えます。
今後の二人の幸せや活躍を願う言葉を添えるのも良いでしょう。
例文:
「この度はご結婚誠におめでとうございます ご多忙の中 このような素晴らしいご縁に恵まれましたこと 心よりお慶び申し上げます 慶んで(謹んで)出席させていただきます お二人の晴れ姿を拝見できることを今から楽しみにしております 末永くお幸せに 今後の〇〇様(新郎または新婦)のより一層のご活躍と お二人の輝かしい未来を心よりお祈り申し上げます」
「慶んで」は喜んで出席する場合、「謹んで」は目上の方へ敬意を込めて出席する場合に使い分けられます。
どちらを使っても間違いではありませんが、より丁寧なのは「謹んで」です。
また、会社関係の方へのメッセージでは、仕事での活躍にも触れることで、日頃の感謝や尊敬の気持ちも伝えることができます。
目上の方へのメッセージでは、敬意を払い、丁寧な言葉遣いを心がけることが最も重要です。
失礼があっては、お祝いの気持ちも半減してしまいかねません。
状況に合わせたメッセージ:出席・欠席・返信遅延の場合
結婚式招待状への返信は、出席する場合だけでなく、残念ながら欠席する場合や、うっかり返信が遅れてしまった場合もあります。
それぞれの状況に応じて、失礼なく、かつ誠意が伝わるメッセージを書くことが大切です。
特に欠席する場合や返信が遅れた場合は、新郎新婦に迷惑をかけてしまう可能性もあるため、より一層丁寧な対応が求められます。
ここでは、それぞれの状況に合わせたメッセージの書き方のポイントと例文をご紹介します。
どのような状況でも、お二人への祝福の気持ちと、招待してくれたことへの感謝の気持ちを伝えることを忘れないでください。
心を込めて出席を伝えるメッセージのポイント
結婚式に出席する場合のメッセージは、祝福の気持ちと、出席できることへの喜び、そして当日を楽しみにしている気持ちを伝えるのが基本です。
前述の基本マナー(句読点、忌み言葉・重ね言葉 avoidance)を守りつつ、あなた自身の言葉で、お二人の結婚を心から祝福している気持ちを表現しましょう。
友人であれば、二人の馴れ初めや、結婚報告を受けた時の喜びなどを具体的に書くと、よりパーソナルなメッセージになります。
親族や目上の方であれば、丁寧な言葉遣いを心がけ、お二人の未来への祝福を述べましょう。
例文(友人向け):
「〇〇結婚おめでとう! □□さんとついにゴールイン 本当に嬉しいです! 結婚の報告を受けた時 思わず涙が出ちゃったよ 結婚式で〇〇の綺麗なウェディングドレス姿を見るのが今から待ちきれません! 末永くお幸せにね」
例文(目上の方向け):
「この度はご結婚誠におめでとうございます 慶んで(謹んで)出席させていただきます お二人の晴れ姿を拝見できることを今から楽しみにしております 輝かしい門出を心よりお祝い申し上げます」
メッセージ欄が狭い場合は、無理に長文を書こうとせず、簡潔にお祝いと出席の意思、当日の楽しみな気持ちを伝えるだけでも十分です。
大切なのは、心を込めて丁寧に書くことです。
返信はがきは新郎新婦にとって、結婚式の準備を進める上で非常に重要なものです。
速やかに、そしてマナーを守って返信することで、お二人の負担を減らすことにも繋がります。
やむを得ず欠席する場合の丁寧な伝え方
結婚式に招待されたものの、やむを得ない事情で欠席しなければならない場合、返信メッセージの書き方には特に注意が必要です。
まず、欠席の理由を正直に、しかし詳細は伏せて簡潔に伝えるのが一般的です。
具体的な理由(例:他の結婚式と重なった、身内の不幸など)を詳細に書きすぎるのは、かえって相手に気を遣わせてしまう可能性があるため、避けた方が無難です。
「やむを得ない事情により」「あいにく都合がつかず」といった表現で十分です。
そして、出席できないことへのお詫びと、お二人の結婚を心から祝福する気持ちを丁寧に伝えましょう。
後日改めてお祝いの機会を持ちたい、という意思を添えるのも良いでしょう。
例文:
「この度はご結婚誠におめでとうございます お招きいただきましたのに 誠に申し訳ございませんが やむを得ない事情により欠席させていただきます せっかくお招きいただいたのに残念でなりません お二人の晴れ姿を拝見できず残念ですが 遠方より末永いお幸せを心よりお祈り申し上げます また改めてお祝いさせてください」
欠席の返信は、できるだけ早く出すのがマナーです。
新郎新婦はゲストの人数をもとに様々な手配を進めるため、返信が遅れると準備に影響が出てしまいます。
また、欠席する場合でも、お祝いの気持ちを伝えることは非常に重要です。
メッセージに加えて、電報を送ったり、後日改めてお祝いの品を贈ったりするのも、丁寧な心遣いとして喜ばれます。
欠席の理由を詳しく聞かれた場合は、差し支えない範囲で答えるようにしましょう。
うっかり返信が遅れてしまったら?
結婚式招待状の返信期日をうっかり過ぎてしまった場合は、一刻も早く返信はがきを出すことが最優先です。
返信はがきを出す前に、まずは新郎新婦に電話やメールで連絡を入れ、返信が遅れたことへのお詫びと、出欠の意思を伝えるのが最も丁寧な対応です。
その上で、改めて返信はがきを投函します。
はがきには、返信が遅れたことへのお詫びの言葉を必ず添えましょう。
例文(出席の場合):
「この度はご結婚誠におめでとうございます お招きいただきありがとうございます 返信が遅くなり大変申し訳ございません 慶んで(謹んで)出席させていただきます お二人の晴れ姿を拝見できることを今から楽しみにしております 末永いお幸せを心よりお祈り申し上げます」
例文(欠席の場合):
「この度はご結婚誠におめでとうございます お招きいただきましたのに 返信が遅くなり大変申し訳ございません 誠に恐縮ながら あいにく都合がつかず欠席させていただきます せっかくお招きいただいたのに残念でなりません 遠方よりお二人の末永いお幸せを心よりお祈り申し上げます」
返信が遅れた理由を詳細に書く必要はありません。
「遅れてしまい申し訳ありません」というお詫びの気持ちを丁寧に伝えることが重要です。
新郎新婦は、返信が来ないと心配したり、準備に困ったりしている可能性があります。
遅れたことを誠実に謝罪し、速やかに対応することで、あなたの真摯な気持ちが伝わるはずです。
まとめ
結婚式招待状のメッセージは、お二人の新しい門出を祝福し、これからの幸せを願う大切な贈り物です。
句読点を使わない、忌み言葉や重ね言葉を避けるといった基本的なマナーは、お祝いの気持ちをより丁寧に伝えるための配慮として古くから受け継がれてきました。
これらのルールを知っておくことで、自信を持ってメッセージを書くことができます。
また、メッセージの内容は、親族、友人、上司など、送る相手との関係性によって適切な言葉遣いや盛り込むべきエピソードが変わってきます。
親しい間柄であれば、具体的な思い出を交えてあなたらしい言葉で祝福を伝え、目上の方には丁寧な言葉遣いを心がけ、敬意を示すことが大切です。
そして、出席する場合、残念ながら欠席する場合、あるいは返信が遅れてしまった場合など、状況に応じたメッセージの書き方を知っておくことも重要です。
どのような状況であっても、招待してくれたことへの感謝と、お二人の幸せを願う気持ちを伝えることを忘れないでください。
返信はがきは、新郎新婦が結婚式の準備を進める上で非常に重要な情報源です。
心を込めて丁寧に、そしてできるだけ早く返信することで、お二人の負担を減らし、スムーズな準備に協力することができます。
この記事でご紹介したマナーや例文を参考に、ぜひあなたらしい温かいメッセージを書いてみてください。
あなたの祝福の気持ちは、きっと新郎新婦に伝わり、お二人の結婚式の喜びをより一層深めることになるでしょう。
結婚式招待状のメッセージは、単なる事務連絡ではなく、お二人との絆を確認し、未来への幸せを共有する素敵なコミュニケーションツールなのです。