結婚式の招待状が届いたら、嬉しい気持ちと同時に「どうやって返信すれば良いんだろう？」と少し不安になる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
特に、返信はがきに書かれている「ご芳名」や「ご住所」、「ご出席」「ご欠席」といった文字をどう扱うか、迷ってしまうことがありますよね。
これらの敬称を消し、自分の名前や出欠にメッセージに丸をつける結婚式招待状の正しい方法を知っておくことは、新郎新婦へのお祝いの気持ちを丁寧に伝える上でとても大切です。
この記事では、結婚式招待状の返信マナーの中でも、特に「丸をつける」行為に焦点を当て、その正しい意味や具体的な方法、さらにはメッセージの書き方まで、あなたが自信を持って返信できるよう分かりやすく解説していきます。
結婚式招待状の返信で「丸をつける」行為の正しい意味と基本マナー
結婚式の招待状を受け取った際、返信はがきに自分の名前や住所、そして出欠を記入する欄がありますね。
そこに書かれている「ご芳名」「ご住所」「ご出席」「ご欠席」といった言葉に、私たちは何かしらの処理を施します。
これが一般的に「丸をつける」と表現される行為の一部であり、具体的には、相手から自分に向けられた敬称を消すこと、そして自分の出欠に印をつけることを指します。
この一見シンプルな作業にも、相手への敬意やお祝いの気持ちを込めるためのマナーが存在します。
単に文字を消したり印をつけたりするだけでなく、その一つ一つの動作に意味があるのです。
例えば、「ご芳名」の「ご芳」を消すのは、相手が自分に対して使ってくれた敬称に対して、自分がへりくだる気持ちを示すため。
また、「ご出席」に丸をつけるのは、喜びと共に参加する意思を明確に伝えるためです。
これらのマナーを知っているかどうかで、受け取った新郎新婦が感じる印象は大きく変わります。
正しい方法で返信することは、お二人の新しい門出を心から祝福する気持ちを表すことにつながります。
これから結婚式を控える大切な友人や家族、会社の上司など、送ってくれた方への感謝とお祝いの気持ちを込めて、丁寧な返信を心がけましょう。
招待状の「ご」「芳」を消す理由と「寿」を使った丁寧な消し方
結婚式招待状の返信はがきには、「ご芳名」「ご住所」「ご出席」「ご欠席」といった言葉が印刷されています。
これらの言葉に含まれる「ご」や「芳」は、招待する側がゲスト（受け取る側）に対して敬意を表して使った敬称です。
しかし、返信する側である自分が、自分の名前や住所、出欠に対してこれらの敬称を使うのは不自然であり、自分自身を過度に敬うことになってしまいます。
そのため、返信する際は、これらの敬称を消すのがマナーとされています。
一般的には、二重線で消す方法が知られていますが、結婚というおめでたい出来事に関連する返信であることから、より丁寧で縁起が良いとされる消し方があります。
それが、二重線の代わりに「寿」の文字を使って消す方法です。
「寿」の文字は、結婚や長寿などのお祝い事で用いられる大変縁起の良い漢字です。
この「寿」を使って敬称を消すことで、お祝いの気持ちをより強く伝えることができます。
具体的には、「ご芳名」であれば「ご芳」の部分を、「ご住所」であれば「ご」の部分を、二重線で消す代わりに、その上に「寿」の文字を重ねるように書きます。
「ご出席」「ご欠席」の場合も同様に、「ご」を消す際に「寿」を使います。
この「寿」で消す方法は、特に目上の方や会社関係の方への返信で使うと、より丁寧な印象を与えることができます。
ただし、地域や家庭によっては「寿」ではなく「〆」を使う場合もありますが、一般的には「寿」が広く使われています。
どちらにしても、単に消すのではなく、お祝いの気持ちを込めて丁寧に処理することが大切です。
定規を使ってまっすぐ二重線を引く、あるいはバランス良く「寿」を書くなど、細部に気を配ることで、より心のこもった返信になります。
返信はがきで丸をつけるべき具体的な場所と書き方
結婚式招待状の返信はがきが手元に届いたら、いよいよ返信の記入です。
どこにどのように記入し、どこに「丸」をつけるのか、具体的な手順を見ていきましょう。
まず、はがきを開くと、多くの場合「ご芳名」と書かれた名前を記入する欄があります。
ここでは、先ほど解説したように「ご芳」を二重線か「寿」で消し、その隣に自分の氏名をフルネームで記入します。
次に「ご住所」欄も同様に「ご」を消し、現住所を正確に記入します。
郵便番号も忘れずに書きましょう。
そして、最も重要なのが出欠の確認欄です。
「ご出席」「ご欠席」と並んで印刷されていることが多いですが、ここで「丸をつける」行為が登場します。
自分が参加する場合は「ご出席」の「ご」を二重線か「寿」で消し、「出席」の文字の横に丸（〇）をつけます。
この丸は、文字を囲むように書くのが一般的です。
一方、残念ながら欠席する場合は、「ご欠席」の「ご」を二重線か「寿」で消し、「ご出席」の文字全体を二重線で消してから、「欠席」の文字の横に丸をつけます。
この際、「ご出席」を消す方法は、二重線で縦に消すのが一般的です。
また、「ご欠席」の「ご」だけを消し、「欠席」に丸をつけるだけでなく、その下に「残念ながら」「やむを得ず」といった言葉を添えると、より丁寧な印象になります。
さらに、アレルギーや苦手な食材がある場合は、その旨を記入する欄があれば具体的に書き添えましょう。
何も問題がない場合は、「特になし」と記入するのが親切です。
返信はがきは、新郎新婦がゲストの人数や席次、食事などを準備するための大切な情報源となります。
正確かつ丁寧な記入を心がけることが、お二人の準備を円滑に進める手助けになります。
記入が終わったら、必ず差出人の氏名の下に「行」や「宛」と印刷されている部分を二重線で消し、「様」に書き直すのを忘れないようにしましょう。
これは、自分から相手への返信であるため、相手への敬称に書き換える必要があるからです。
ゲスト別・状況別で変わる！失礼にならない返信メッセージの書き方
結婚式招待状の返信はがきには、出欠確認や住所、氏名などの記入欄の他に、新郎新婦へのお祝いメッセージを添えるスペースが設けられていることがほとんどです。
このメッセージ欄は、定型的な返信だけでなく、あなた自身の言葉でお祝いの気持ちを伝えることができる大切な場所です。
しかし、どのようなメッセージを書けば良いのか、誰に送るかによって内容は変えるべきなのか、悩む方もいらっしゃるでしょう。
失礼なく、かつ相手に心から喜んでもらえるメッセージを書くためには、いくつかのポイントがあります。
まず、最も基本的なこととして、結婚の報告を受けたことへのお祝いの言葉を入れるのは必須です。
「ご結婚おめでとうございます」というシンプルな一言でも構いませんが、それに加えて、お二人の幸せを願う気持ちや、結婚式を楽しみにしている気持ちなどを具体的に表現すると、よりパーソナルで温かいメッセージになります。
また、メッセージは新郎新婦のどちらか一方だけでなく、お二人に向けて書くのが基本です。
「〇〇さん、△△さん、ご結婚おめでとうございます」のように、お二人の名前を入れて書き始めると良いでしょう。
さらに、メッセージの内容は、新郎新婦との関係性によって少し調整することをおすすめします。
例えば、親しい友人へのメッセージであれば、普段の二人の様子を知っているからこそのエピソードを交えたり、少しくだけた表現を使ったりしても良いでしょう。
一方、会社の上司や目上の方へのメッセージであれば、より丁寧な言葉遣いを心がけ、簡潔にお祝いと感謝の気持ちを伝えるのが適切です。
誰に送る場合でも共通して言えるのは、ポジティブな言葉を選び、お祝いムードを損なわないようにすることです。
これから具体的なメッセージの書き方や、避けるべき表現について詳しく見ていきましょう。
相手に喜ばれるお祝いメッセージを添えるコツと避けるべき言葉
結婚式招待状に添えるお祝いメッセージは、新郎新婦にとって、返信はがきを見る際の大きな楽しみの一つです。
心のこもったメッセージは、お二人の準備疲れを癒し、結婚式への期待感を高めてくれるでしょう。
では、どのようなメッセージが喜ばれるのでしょうか。
まず、メッセージの冒頭では、改めて結婚のお祝いの言葉を述べます。
「この度はご結婚誠におめでとうございます！」のように、丁寧にお祝いの気持ちを伝えましょう。
次に、招待してくれたことへの感謝の気持ちを伝えます。
「お招きいただきありがとうございます」といった一文を添えることで、新郎新婦は「送って良かったな」と感じてくれるはずです。
そして、結婚式を楽しみにしている気持ちや、お二人の幸せを願う言葉を具体的に表現します。
「〇〇さんのウェディングドレス姿、今から楽しみにしています」「△△さんと〇〇さんの笑顔溢れる素敵な家庭を築かれることを心よりお祈りしています」など、具体的な内容を盛り込むと、よりパーソナルなメッセージになります。
もし、お二人との間に共通の思い出やエピソードがあれば、それに触れるのも良いでしょう。
例えば、「学生時代からのお二人の仲の良さを見てきたので、自分のことのように嬉しいです」といった一文は、受け取った新郎新婦の心に響くはずです。
ただし、あまり長文になりすぎると読むのが大変になるため、はがきのメッセージ欄に収まる範囲で簡潔にまとめることを意識しましょう。
一方で、結婚式というお祝いの場では避けるべき言葉も存在します。
代表的なのが「忌み言葉」と「重ね言葉」です。
忌み言葉とは、「別れる」「切れる」「壊れる」「離れる」「終わる」「破れる」「冷める」「去る」「戻る」など、別れや不幸を連想させる言葉です。
重ね言葉とは、「重ね重ね」「くれぐれも」「たびたび」「しばしば」「ますます」「いよいよ」など、再婚や不幸の繰り返しを連想させる言葉です。
これらの言葉は、無意識に使ってしまうことがあるため注意が必要です。
例えば、「今後ともどうぞよろしくお願いいたします」という代わりに「末永くどうぞよろしくお願いいたします」とするなど、言い換えを心がけましょう。
また、句読点（、や。
）を使わないのがマナーとされています。
これは、「終止符を打つ」という意味合いから、お祝い事に区切りをつけないようにするためです。
句読点の代わりに、スペースを空けたり改行したりして、文章を読みやすく工夫しましょう。
これらのマナーを守ることで、より洗練された、お祝いの気持ちが伝わるメッセージになります。
