結婚式への招待は、大切な人の人生の節目に立ち会える素晴らしい機会です。
しかし同時に、「当日はどんなマナーがあるのだろう」「失礼なことはしないかな」と不安に感じる方もいらっしゃるかもしれません。
特に、初めて参列する場合や、久しぶりの結婚式では、最新のマナーや知っておくべきポイントを確認しておきたいものです。
結婚式当日マナー参列者が守るべきポイントを知っておけば、自信を持って祝福の気持ちを伝えられます。
この記事では、結婚式当日の流れに沿って、受付から披露宴まで、そして服装やご祝儀、もしもの時の対応まで、参列者がスマートに過ごすためのマナーや具体的なアドバイスを詳しくご紹介します。
結婚式当日の流れに沿った参列マナー
結婚式当日は、受付から始まり、挙式、そして披露宴へと進んでいきます。
それぞれの場面には、その場にふさわしい振る舞いがあります。
全体の流れを把握し、それぞれのシーンで求められるマナーを知っておくことで、新郎新婦や他のゲストに配慮した心地よい一日を過ごすことができます。
特に、初めて参列する方にとっては、事前に流れを知っておくだけでも安心感が違うはずです。
当日の進行に合わせて、具体的にどのような点に注意すれば良いのかを見ていきましょう。
受付でのスムーズな対応と挨拶
結婚式に到着したら、まず受付で芳名帳への記帳とご祝儀を渡します。
受付はゲストが会場に到着して最初に新郎新婦の代わりに対応してくれる場所であり、ここでスムーズに済ませることは、その後の流れを円滑にするために非常に重要です。
受付の方に「本日はおめでとうございます」と丁寧にお祝いの言葉を伝え、名前を名乗りましょう。
この時、新郎側か新婦側か聞かれることもありますので、どちらのゲストであるかを明確に伝えます。
芳名帳には、楷書で丁寧に氏名と住所を記入します。
ご祝儀を渡す際は、袱紗(ふくさ)から取り出して両手で渡すのが正式なマナーです。
袱紗がない場合は、きれいなハンカチなどで代用するか、むき出しにならないように丁寧に扱います。
受付が混み合っている場合は、手際よく済ませることも大切です。
受付の方も忙しく対応していますので、感謝の気持ちを言葉で伝えることを忘れないようにしましょう。
また、受付を済ませた後、すぐに会場内に入れるとは限りません。
待合スペースがある場合は、そこで他のゲストと談笑したり、休憩したりして過ごします。
この時、大声で話したり、騒がしくしたりするのは控えましょう。
会場の雰囲気に合わせた落ち着いた振る舞いを心がけることが大切です。
挙式中の厳粛な雰囲気での過ごし方
挙式は、新郎新婦が永遠の愛を誓う神聖な儀式です。
チャペル式、教会式、神前式、人前式など形式は様々ですが、どの形式であっても厳粛な雰囲気の中で執り行われます。
参列者は、その雰囲気を壊さないよう、静かに見守ることが求められます。
まず、指定された席に着席し、開始を静かに待ちます。
携帯電話は必ずマナーモードにするか、電源を切っておきましょう。
挙式中の私語は厳禁です。
また、スマートフォンの操作や、無許可での写真・動画撮影も控えましょう。
撮影が許可されている場合でも、フラッシュの使用は控える、シャッター音に配慮するなど、式の進行を妨げないように注意が必要です。
特に、新郎新婦の入場や退場のシーンは感動的な瞬間ですが、通路に立ちふさがったり、邪魔になったりしないよう、自分の席から見守るのが基本です。
聖歌斉唱や雅楽の演奏など、式の進行に合わせて起立や着席、拍手などが求められる場合がありますので、案内係の指示に従いましょう。
厳粛な空間であることを理解し、心静かに新郎新婦の誓いを見守る姿勢が最も重要です。
披露宴での振る舞いと写真撮影の配慮
披露宴は、新郎新婦がゲストをもてなすお祝いの席です。
挙式よりも和やかな雰囲気で行われますが、ここでもいくつかのマナーがあります。
まず、席次表を確認し、指定された席に着席します。
席次は新郎新婦がゲストとの関係性を考えて決めたものですので、勝手に席を移動したり、知り合いと固まって座ったりするのは控えましょう。
食事は、提供されたらすぐに手をつけず、新郎新婦や主賓の挨拶が終わるなど、開始の合図があるまで待ちます。
食事中は、大声での会話や、口を開けたままの食事は避け、上品な振る舞いを心がけましょう。
乾杯の発声があったら、グラスを持ち上げて「おめでとうございます」と言い、口をつける程度で飲みます。
他のゲストとの会話を楽しむ際も、周囲に配慮し、節度ある声のトーンで話しましょう。
写真撮影については、新郎新婦が高砂にいる場合、声をかけてから撮影をお願いするのが丁寧です。
他のゲストが撮影している場合は順番を待ったり、邪魔にならないように配慮したりが必要です。
また、料理や会場の装飾など、個人的な記念として撮影するのは問題ありませんが、SNSなどにアップする際は、他のゲストの顔が写り込んでいないか、新郎新婦に許可を取るべき内容ではないかなどを確認する配慮が必要です。
披露宴は、新郎新婦だけでなく、全てのゲストが楽しめる場であるべきです。
他のゲストへの配慮を忘れず、心地よい空間づくりに協力しましょう。
結婚式にふさわしい服装と持ち物の準備
結婚式に参列する際、まず悩むのが服装ではないでしょうか。
お祝いの席にふさわしい装いは、新郎新婦への祝福の気持ちを表す大切なマナーの一つです。
また、当日の持ち物も、快適に過ごすために非常に重要です。
適切な服装を選び、必要な持ち物をしっかりと準備しておくことで、当日の不安を減らし、心から結婚式を楽しむことができます。
ここでは、具体的にどのような服装が適切なのか、そしてどのような持ち物があると便利なのかについて詳しく解説します。
慶びの場に合った服装選びの基本
結婚式に参列する服装は、フォーマルまたはセミフォーマルが基本です。
女性の場合、昼間の結婚式では露出の少ないワンピースやアンサンブル、セットアップなどが適しています。
肩や背中が出ているデザインの場合は、ボレロやストールなどで羽織りましょう。
素材は、シルクやサテン、レースなどの華やかなものがお祝いの雰囲気に合います。
夜の結婚式では、昼間よりも少し華やかで露出のあるデザインも許容されますが、上品さを保つことが大切です。
色は、白は花嫁の色なので避けましょう。
黒いドレスも多く見られますが、全身真っ黒だとお葬式を連想させるため、明るい色の小物やアクセサリーを合わせるなどの工夫が必要です。
新郎新婦の親族や主賓よりも目立たないように配慮することも重要です。
男性の場合、ブラックスーツやダークスーツが一般的です。
シャツは白無地を基本とし、ネクタイは白やシルバー、パステルカラーなどのお祝い用のものを選びます。
黒いネクタイやアニマル柄、キャラクター柄などは避けましょう。
靴下はスーツの色に合わせるのが基本です。
最近では、インフォーマルな結婚式も増えていますが、事前にドレスコードを確認するか、新郎新婦に相談するのが安心です。
どんなスタイルの結婚式であっても、清潔感があり、お祝いの気持ちを表す装いを心がけることが最も大切です。
当日安心して過ごすための持ち物リスト
結婚式当日は、意外と荷物が多くなるものです。
事前に必要なものをリストアップしておくと、忘れ物を防ぎ、安心して一日を過ごせます。
最低限必要なものは、招待状(会場の地図や開始時間を確認するため)、ご祝儀(袱紗に包んで)、財布、スマートフォンです。
その他、女性の場合は化粧直し用のコスメ、ヘアピン、ストッキングの替えなどがあると便利です。
特に、ストッキングは伝線しやすいので、予備があると安心です。
ハンカチやティッシュも必須です。
食事中にナプキンを使いますが、お手洗いなどで手を拭く際に必要になります。
小さめのバッグで参列する場合、本当に必要なものだけを厳選し、大きな荷物はクロークに預けることを検討しましょう。
会場によってはクロークがない場合もありますので、事前に確認しておくと良いでしょう。
また、冬場はコートや羽織り物が必要ですが、会場内では脱ぐのがマナーです。
クロークに預けるか、邪魔にならないように畳んで椅子の背にかけるなど配慮しましょう。
夏場は日傘や扇子があると、移動中に役立ちます。
季節や天候に合わせて、快適に過ごすためのアイテムをプラスすることも大切です。
意外と見落としがちな小物やアクセサリー
服装だけでなく、小物やアクセサリーも結婚式のマナーにおいて重要な要素です。
細部まで気を配ることで、より洗練された装いになります。
女性の場合、アクセサリーは派手すぎず、上品なものを選びます。
昼間の式では光りすぎないパールや控えめなダイヤなどが適しています。
夜の式では、少し華やかなデザインも良いでしょう。
ただし、ジャラジャラと音を立てるようなものや、大きすぎるものは避けるのが無難です。
バッグは、小さめのクラッチバッグやパーティーバッグが一般的です。
大きすぎるバッグや普段使いのバッグは避けます。
靴は、つま先が出るオープントゥやミュール、サンダルはカジュアルすぎるため避けるのが基本です。
パンプスやヒールのある靴がフォーマルな印象になります。
ただし、妊娠中や小さなお子さん連れなど、特別な事情がある場合は、無理のない範囲で調整しましょう。
男性の場合、靴は革靴を履きます。
ローファーやスニーカーはカジュアルすぎるため不適切です。
ベルトも靴の色や素材に合わせると統一感が出ます。
腕時計はシンプルなデザインのものが適しています。
結婚式はフォーマルな場であることを忘れず、小物一つ一つにも気を配ることで、新郎新婦への敬意を表すことができます。
ご祝儀の準備と会場での金銭に関する注意点
結婚式に参列する際、ご祝儀は新郎新婦へのお祝いの気持ちを形にする大切なものです。
金額の相場や包み方には一定のマナーがあり、失礼のないように準備する必要があります。
また、結婚式当日はご祝儀以外にも、二次会費や交通費など、金銭に関する様々な場面に遭遇します。
これらの金銭的なやり取りについても、事前に把握しておくことで、スマートに対応できます。
ここでは、ご祝儀に関する基本的なマナーから、当日必要になる可能性のあるその他の費用について詳しく解説します。
失礼のないご祝儀金額の相場と包み方
ご祝儀の金額相場は、新郎新婦との関係性によって異なります。
友人や同僚の場合は3万円が一般的ですが、親しい友人や兄弟姉妹の場合は5万円や10万円と増額することもあります。
親族の場合は、関係性や年齢によって大きく異なりますが、一般的には5万円から10万円程度が多いようです。
ただし、これはあくまで目安であり、地域の習慣や新郎新婦との関係性の深さによって調整が必要です。
金額を決める上で避けるべきなのは、割り切れる数字、特に「割れる」ことを連想させる2や4、結婚式では「死」を連想させる4、そして「苦」を連想させる9です。
ただし、8は末広がりとして縁起が良いとされており、偶数ですが許容されることが多いです。
ご祝儀袋は、結婚祝い用の「熨斗(のし)」と「水引(みずひき)」が付いたものを選びます。
水引は、結婚式の場合は「結び切り」または「あわじ結び」を選びます。
これは一度結ぶと解けないことから、「一度きりのお祝い」という意味が込められています。
表書きには「御祝」「御結婚御祝」などと書き、自分の氏名をフルネームで書きます。
中袋には、表に金額(旧字体で書くのが丁寧)、裏に自分の住所と氏名を書きます。
お札は新札を用意し、人物の顔が中袋の表側、かつ上向きになるように入れます。
ご祝儀は、受付で記帳を済ませた後に、袱紗から出して両手で渡すのが正式なマナーです。
二次会参加やその他の支払いに関する確認
結婚式の後、二次会が開催されることもよくあります。
二次会に参加する場合は、会費が必要になります。
二次会の会費は、会場や内容によって異なりますが、一般的には5千円から1万円程度が相場です。
二次会への参加は任意ですが、招待された場合はできるだけ参加するのが礼儀とされています。
参加の可否は、事前に新郎新婦または幹事に連絡します。
会費は、受付で支払うことがほとんどです。
お釣りがないように、事前に会費ぴったりを用意しておくのがスマートです。
二次会会場での飲食代やゲームの参加費など、別途費用が発生する場合もありますので、少し多めに現金を用意しておくと安心です。
また、結婚式会場までの交通費や、遠方からの参列の場合は宿泊費なども自己負担が基本です。
事前に交通手段や宿泊先の手配を行い、費用を確認しておきましょう。
結婚式会場によっては、クローク利用料や駐車場代が必要な場合もあります。
当日慌てないためにも、金銭に関する情報を事前に確認し、必要な金額を用意しておくことが大切です。
遠方からの参列者が知っておきたいこと
遠方から結婚式に参列する場合、近距離のゲストとは異なる配慮が必要になります。
まず、移動手段と宿泊先の手配は早めに行いましょう。
特に人気の式場や観光地に近い場合、ホテルがすぐに埋まってしまうことがあります。
新幹線や飛行機のチケットも、早割などを利用すれば費用を抑えられる可能性があります。
新郎新婦が交通費や宿泊費の一部を負担してくれる場合もありますが、これはあくまで新郎新婦の厚意であり、期待すべきものではありません。
事前に確認しておくと良いですが、基本的に自己負担となることを前提に準備を進めましょう。
また、結婚式前日に現地入りする場合、前泊するホテルから式場への移動手段や時間を調べておくことも重要です。
当日は慣れない土地での移動になるため、時間に余裕を持って行動することをおすすめします。
荷物が多くなる場合は、事前に式場やホテルに送っておくことも可能です。
重い荷物を持って移動する負担を減らすためにも、宅配便の利用を検討しましょう。
遠方からの参列は、時間も費用もかかりますが、新郎新婦にとっては何より嬉しいことです。
事前の準備をしっかり行い、安心して当日を迎えられるようにしましょう。
もしもの時や急な状況への対応マナー
結婚式当日、予期せぬ状況が発生することもあります。
例えば、体調が悪くなったり、交通機関の遅延で遅刻しそうになったり、急遽参列できなくなったりする場合です。
このような「もしもの時」に、どのように対応すれば良いかを知っておくことは、新郎新婦や関係者に迷惑をかけないためにも非常に重要です。
慌てずに適切な行動をとることで、最低限の配慮を示すことができます。
ここでは、急な状況にどのように対処すべきか、具体的な対応策について解説します。
遅刻や欠席が分かった場合の速やかな連絡
結婚式当日に遅刻や欠席が分かった場合、とにかく速やかに新郎新婦または受付担当者、幹事に連絡を入れることが最も重要です。
開始時間が迫っている場合は、電話で連絡するのが確実です。
メールやLINEでは、すぐに気づいてもらえない可能性があります。
連絡する内容は、遅刻の場合は到着予定時間、欠席の場合はその旨と、お詫びの言葉を伝えます。
体調不良などやむを得ない理由であれば、正直に伝える方が理解を得やすいでしょう。
遅刻の場合、受付時間や挙式の開始時間に間に合わない場合は、会場のスタッフに指示を仰ぎましょう。
挙式中は原則として途中入場できませんので、挙式が終わるまで待合スペースなどで待機することになります。
披露宴からの参加になる場合もあります。
いずれにしても、新郎新婦はゲストの人数や席次、料理の数などを手配していますので、直前の変更は大きな影響を与えます。
連絡が早ければ早いほど、新郎新婦側の対応の負担を減らすことができます。
また、欠席の場合でも、お祝いの気持ちを伝えるために、後日改めてお祝いの品を贈ったり、メッセージを送ったりするなどのフォローを忘れずに行いましょう。
会場での困りごとや体調不良への対応
結婚式当日に会場で何か困ったことがあったり、体調が悪くなったりした場合も、一人で抱え込まず、すぐに会場のスタッフに相談しましょう。
例えば、席が分からない、落とし物をしてしまった、会場内で迷ってしまったなど、些細なことでも遠慮なくスタッフに声をかけて大丈夫です。
プロのスタッフが適切に対応してくれます。
特に体調不良になった場合は、我慢せずに伝えることが大切です。
気分が悪くなった場合は、すぐに席を立ち、会場の外の空気の入れ替えができる場所や、スタッフに案内してもらった休憩スペースで休むようにしましょう。
無理して参加を続けると、症状が悪化したり、周囲に心配をかけたりすることになります。
会場には救護室や看護師が常駐している場合もありますので、必要であれば手配してもらえます。
体調が回復しない場合は、無理せず早めに帰宅することも検討しましょう。
その際も、会場のスタッフや、可能であれば新郎新婦の親族などに一言お詫びを伝えてから失礼するのが丁寧です。
自分の体調管理も、参列者の大切なマナーの一つです。
まとめ
結婚式は、新郎新婦にとって一生に一度の大切な一日です。
参列者は、そのお祝いの場を共に作り上げる一員として、マナーを守り、心から祝福する気持ちをもって臨むことが求められます。
受付での丁寧な対応、挙式中の厳粛な振る舞い、披露宴での心地よい過ごし方、そしてTPOに合わせた服装選びや持ち物の準備、ご祝儀に関する配慮など、知っておくべきポイントはいくつかあります。
しかし、最も大切なのは、形式にとらわれすぎず、新郎新婦への「おめでとう」という気持ちと、感謝の心を持って行動することです。
もし当日、予期せぬ出来事が起こっても、慌てずに速やかに周囲に相談し、誠実に対応すれば大丈夫です。
この記事でご紹介したマナーやアドバイスが、結婚式当日を迎えるにあたっての不安を少しでも解消し、あなたが自信を持って大切な日を祝福するための助けとなれば幸いです。
マナーを守りつつ、あなた自身も結婚式という素晴らしい一日を心ゆくまで楽しんでください。