結婚式の引き出物、目上の方への失礼にならない選び方とマナー
結婚式という人生の節目において、ゲストの皆様へ感謝の気持ちを込めて贈る引き出物。
その中でも、日頃お世話になっている目上の方々へ贈る品物は、特に慎重な配慮が求められます。
「せっかく贈るなら、喜んでもらいたい」「マナー違反で恥ずかしい思いをしたくない」というお気持ちは、多くの方が抱かれることでしょう。
この記事では、結婚式の引き出物において、目上の方へ失礼なく、かつ心から喜んでいただけるアイテムの選び方と、知っておくべきマナーについて、具体的なアドバイスを交えながら詳しく解説していきます。
新郎新婦の皆様が、自信を持って引き出物選びができるよう、心を込めてご案内いたします。
目上の方への引き出物選びで重視したいポイントと避けるべきアイテム
目上の方への引き出物選びで何よりも大切なのは、相手への敬意と感謝の気持ちを形にすることです。
単に高価なものを贈れば良いというわけではなく、相手の年齢やライフスタイル、好みなどを考慮した上で、心遣いが感じられる品物を選ぶことが肝心です。
ここでは、目上の方に喜んでいただくための引き出物選びのポイントと、一般的に避けた方が良いとされるアイテムについて掘り下げていきましょう。
まず、目上の方への引き出物選びで最も重視したいのは、「実用性」と「上質さ」です。
日々の生活で役立つものや、質の良い消耗品は、相手に気を遣わせすぎず、かつ喜ばれやすい傾向にあります。
例えば、上質なタオルやバスグッズ、こだわりの調味料やドレッシング、高級感のある和菓子や紅茶などは、定番ながらも喜ばれるアイテムと言えるでしょう。
特に、ご夫婦で出席される場合や、ご家族のいらっしゃる方には、ご家庭で使えるものが喜ばれることが多いです。
また、近年では、カタログギフトも人気ですが、目上の方へ贈る場合は、品物がある程度具体的にイメージできるものや、相手の好みが分かっている場合に限定するのがおすすめです。
カタログギフトを選ぶ際も、掲載されている商品の質や品揃えを carefully 確認し、相手が「欲しい」と思えるような選択肢が豊富に含まれているかを見極めることが重要です。
一方で、目上の方への引き出物として避けるべきアイテムも存在します。
まず、「割れ物」は、縁起が悪いとされる場合があるため、避けた方が無難です。
陶器やガラス製品は、デザイン性が高くても、相手によっては不快に感じられる可能性があります。
また、「現金」や「商品券」は、お祝いの気持ちを表す品物としては、やや味気なく感じられることも。
特別な関係性でない限り、避けた方が良いでしょう。
さらに、「切り花」や「植物」も、お世話を負担にさせてしまう可能性があるため、避けるのが一般的です。
新郎新婦の結婚を祝う気持ちが込められた品物であるはずが、相手に余計な手間をかけてしまうのは本意ではありません。
ここで、私自身の経験から一つお伝えしたいことがあります。
以前、親戚の結婚式で、お世話になっている伯母様へ引き出物として、とても可愛らしいデザインのティーカップ＆ソーサーをいただいたことがありました。
デザインは素敵だったのですが、伯母様は普段からシンプルなものを好む方だったので、結局ほとんど使われずにしまわれていたそうです。
後日、その話を聞いて、デザイン性だけでなく、贈る相手のライフスタイルや好みをどれだけ深く理解できているかが、引き出物選びの鍵になると痛感しました。
もし、目上の方の好みが分からない場合は、「消えもの」と呼ばれる、消費できるものを選ぶのが最も無難で、かつ喜ばれる可能性が高いと言えます。
例えば、上質なタオルや、有名店の焼き菓子、こだわりのコーヒー豆などは、贈る相手を選ばず、多くの方に喜んでいただけるでしょう。
「相手のことを想って選んだ」という気持ちが伝わることが、何よりも大切なのです。
引き出物のマナーと、感謝の気持ちを伝えるための演出
引き出物は、単なる贈り物ではなく、結婚式という晴れの日に、ゲストの方々へ感謝の気持ちを伝えるための大切なツールです。
特に目上の方へ贈る際には、いくつかのマナーを守ることで、より一層、感謝の気持ちが伝わり、相手への敬意を示すことができます。
ここでは、引き出物にまつわるマナーと、感謝の気持ちを効果的に伝えるための演出方法についてご紹介します。
まず、引き出物の数についてですが、一般的に「二つ」「三つ」と偶数で贈るのが良いとされています。
「二つ」は「別れ」を連想させるため、「三つ」という偶数で贈るのがより丁寧とされています。
ただし、これはあくまで一般的な考え方であり、最近では、奇数でも問題ないとされる風潮もあります。
しかし、目上の方へ贈る場合は、やはり「三つ」で贈るのがより安心でしょう。
引き出物の内容は、メインの品物（引き出物）と、引菓子（焼き菓子など）、そして地域によっては縁起物（かつお節など）の三点セットが一般的です。
この構成を守ることで、「結婚のお祝いを分かち合う」「末永く幸せになる」といった意味合いも込められます。
次に、引き出物の渡し方です。
かつては、披露宴の最後にゲストをお見送りする際に手渡しするのが一般的でした。
しかし、最近では、「引き出物宅配サービス」を利用するカップルも増えています。
このサービスを利用すると、ゲストは重い引き出物を持って帰る必要がなく、自宅に届けてもらえるため、大変喜ばれます。
目上の方へ贈る場合でも、この宅配サービスは失礼にはあたりません。
むしろ、相手への配慮が感じられるため、喜ばれるケースが多いのです。
ただし、手渡しをする場合は、「本日はお忙しい中、〇〇（ゲストの名前）様にご列席いただき、誠にありがとうございます。
心ばかりの品ですが、どうぞお納めください。
」といった丁寧な言葉を添えて、両手で渡すようにしましょう。
この一言があるかないかで、相手に伝わる感謝の度合いは大きく変わります。
さらに、感謝の気持ちを伝えるための演出として、「メッセージカード」を添えることを強くおすすめします。
手書きのメッセージカードは、どんな高価な品物よりも、新郎新婦の温かい気持ちを伝えることができます。
目上の方へ贈る場合は、特に丁寧に、日頃の感謝の気持ちや、結婚式へ招待できたことへの喜びを具体的に綴ると良いでしょう。
例えば、「〇〇（ゲストの名前）様、本日はお忙しい中、私たちの結婚式にご臨席いただき、心より感謝申し上げます。
いつも温かく見守ってくださり、本当にありがとうございます。
これからも、〇〇様ご夫妻に恥じぬよう、二人で力を合わせて幸せな家庭を築いてまいります。
今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。
」といったように、具体的なエピソードや、今後の関係性への思いを盛り込むことで、よりパーソナルで心のこもったメッセージになります。
私自身の経験ですが、友人の結婚式で、新郎新婦が手書きで書いたメッセージカードと共に、地元の老舗和菓子店の羊羹をいただいたことがありました。
メッセージには、私が以前、仕事で悩んでいた時に相談に乗ってくれたことへの感謝の言葉が綴られており、羊羹も、私が甘いものが好きだと知っていた新婦が選んでくれたものでした。
その時の温かい気持ちは今でも忘れられません。
引き出物そのものも大切ですが、その品物に込められた「想い」こそが、最も価値のあるものだと感じました。
目上の方へ贈る引き出物も、このような温かい演出を加えることで、単なる贈り物以上の意味合いを持ち、ゲストの方々にとって忘れられない思い出となるはずです。
まとめ
結婚式の引き出物、特に目上の方へ贈る品物は、感謝の気持ちと敬意を込めて、慎重に選びたいものです。
実用性があり、上質な消耗品や、相手のライフスタイルに合った品物を選ぶことが喜ばれる秘訣です。
割れ物や現金、植物などは避けるのがマナーであり、迷った際は「消えもの」を選ぶのが安心でしょう。
また、引き出物の数は「三つ」で贈るのが丁寧とされ、渡し方にも配慮が必要です。
手渡しをする場合は、丁寧な言葉を添え、近年では引き出物宅配サービスも有効な選択肢となります。
さらに、手書きのメッセージカードを添えることで、感謝の気持ちがより深く伝わり、温かい演出となるでしょう。
相手のことを想って選んだ品物と、心のこもったメッセージは、目上の方々にとって、結婚式という特別な日を彩る、かけがえのない宝物となるはずです。
