結婚式の招待状、カジュアル・少人数婚だからこそ「親しみやすさ」と「丁寧さ」のバランスが鍵
結婚式の招待状は、ゲストへの最初のおもてなし。
特に、アットホームな雰囲気のカジュアル婚や、親しい方々だけを招く少人数婚では、形式ばりすぎず、でも失礼にならない、絶妙な言葉遣いが求められます。
「堅苦しいのはちょっと…」「もっと気軽に伝えたい!」そう思う一方で、「砕けすぎると、かえって失礼になるのでは?」と悩んでしまう方も多いのではないでしょうか。
この記事では、そんな悩みを解決する、カジュアル婚・少人数婚にぴったりの招待状文例と、親しみやすさを保ちつつも、失礼にならない言葉選びのコツを、具体的な例文を交えながら詳しく解説します。
お二人の想いが伝わる、心温まる招待状を作成しましょう。
カジュアル・少人数婚にふさわしい招待状の基本構成と例文
感謝の気持ちを伝えるリード文と時候の挨拶
招待状の冒頭は、ゲストへの感謝の気持ちを伝える大切なパートです。
カジュアルな結婚式であっても、日頃お世話になっている方々への感謝はしっかりと伝えたいもの。
時候の挨拶は、季節感を添えるだけでなく、丁寧な印象を与えます。
例えば、春なら「陽春の候」、夏なら「盛夏の候」、秋なら「錦秋の候」、冬なら「新春の候」など、季節に合わせた言葉を選びましょう。
カジュアルな雰囲気でも、「拝啓」や「敬具」といった頭語・結語は、省略しても問題ありませんが、代わりに「皆様におかれましては、ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
」といった、丁寧な挨拶を入れることで、改まった印象を和らげることができます。
そして、結婚のご報告とお披露目の場を設けることへの感謝を、素直な言葉で伝えましょう。
例えば、「この度、私たち二人は〇月〇日をもちまして、夫婦となりました。
つきましては、日頃よりお世話になっております皆様に、感謝の気持ちを込めてささやかなお披露目の会を催したく存じます。
」といった形です。
ここでのポイントは、「ささやかなお披露目の会」という言葉を選ぶことで、かしこまりすぎない、アットホームな雰囲気を醸し出すことです。
また、少人数婚の場合は、「いつも応援してくれている大切な皆様へ」といった、よりパーソナルな呼びかけも喜ばれるでしょう。
【例文】
「〇〇の候、皆様におかれましては益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。
さて、この度私たち〇〇 〇〇と〇〇 〇〇は、〇月〇日をもちまして、夫婦となりました。
つきましては、日頃より格別のご厚情を賜っております皆様に、心ばかりのお披露目の宴を催したく存じます。
本来であれば、直接お伺いしてお伝えすべきところ、書中にて失礼ながらご案内申し上げます。
」
この例文では、「〇〇の候」の部分に季節の挨拶を入れます。
例えば、春であれば「陽春の候」、夏であれば「盛夏の候」などです。
また、「格別のご厚情」という言葉は少し改まった印象ですが、少人数で親しい間柄であれば、「いつも温かく見守ってくださる皆様」といった、より親しみやすい表現に置き換えても良いでしょう。
「心ばかりのお披露目の宴」という表現は、気負わない雰囲気を演出し、ゲストにリラックスしてもらうための配慮です。
結婚式の日時、場所、そしてお二人の想いを伝える本文
本文では、結婚式の日時、場所、そしてどのような結婚式にしたいのか、お二人の想いを具体的に伝えます。
カジュアル婚・少人数婚ならではの、温かい雰囲気を伝えることが重要です。
例えば、「堅苦しい儀式は行わず、皆様とゆっくりお話しできるような、アットホームな時間を過ごしたいと考えております。
」といった一文を加えることで、ゲストは当日のイメージを掴みやすくなります。
また、少人数婚であれば、ゲスト一人ひとりへの感謝の気持ちを、より具体的に伝えることもできます。
「いつも支えてくれる〇〇さん(ゲストの名前)に、感謝の気持ちを伝えたい」といった、パーソナルなメッセージを添えることで、招待状がより一層特別なものになります。
【例文】
「つきましては、〇月〇日(〇) 〇時より、〇〇(会場名)にて、ささやかな披露宴を執り行いたく存じます。
格式ばったものではなく、皆様とゆっくりお話ししながら、和やかな時間を過ごせたらと考えております。
お料理やお飲み物はもちろん、皆様に楽しんでいただけるような、ちょっとしたサプライズもご用意しておりますので、どうぞお気軽にお越しください。
皆様にお会いできることを、心より楽しみにしております。
」
この例文では、「ささやかな披露宴」という言葉で、かしこまりすぎない雰囲気を演出しています。
また、「格式ばったものではなく、皆様とゆっくりお話ししながら、和やかな時間を過ごせたら」という一文は、少人数婚やカジュアル婚のコンセプトを明確に伝えるのに役立ちます。
「ちょっとしたサプライズ」という言葉は、ゲストの期待感を高め、当日の楽しみを増幅させる効果があります。
もし、会場に特別なこだわりがあれば、その点に触れるのも良いでしょう。
例えば、「海が見えるこの場所で、皆様と特別な一日を過ごしたい」といった一文を加えることで、会場の魅力とお二人の想いを同時に伝えることができます。
言葉選びのコツ:親しみやすさと丁寧さのバランス
「です・ます調」を基本に、親しみやすい言葉をプラス
カジュアル婚・少人数婚の招待状では、基本的には「です・ます調」で丁寧に書きつつ、親しみやすい言葉を効果的に取り入れることが大切です。
例えば、「ご多忙中とは存じますが」といった定型句を、「お忙しいところ恐縮ですが」と言い換えたり、「ご臨席賜りますようお願い申し上げます」を「ぜひお越しいただけたら嬉しいです」とするなど、表現を少し和らげるだけで、ぐっと親しみやすい印象になります。
しかし、あまりにくだけすぎると、かえって失礼にあたる場合もあるため、「親しい間柄だからこそ、失礼のないように」という意識を持つことが重要です。
例えば、目上の方への招待状であれば、丁寧さを重視しつつ、お二人の温かい人柄が伝わるような一文を添えるのが良いでしょう。
【例文】
「皆様には日頃より大変お世話になっており、感謝の気持ちでいっぱいです。
この度、私たち〇〇と〇〇は、〇月〇日に入籍いたしました。
つきましては、日頃よりお世話になっております皆様に、感謝の気持ちを込めて、ささやかなお披露目の会を催したいと思っております。
堅苦しいことは抜きにして、皆様と楽しくお話しできるような、アットホームな時間にしたいと考えておりますので、どうぞお気軽にお越しください。
皆様にお会いできることを、心より楽しみにしております。
」
この例文では、「感謝の気持ちでいっぱいです」「堅苦しいことは抜きにして」「どうぞお気軽にお越しください」といった、親しみやすい言葉遣いを意識しています。
しかし、「ささやかなお披露目の会」という表現や、結びの言葉で「心より楽しみにしております」と伝えることで、丁寧さも失っていません。
このように、親しみやすさと丁寧さのバランスを取ることが、カジュアル婚・少人数婚の招待状では非常に重要です。
お二人の普段の関係性や、ゲストの顔ぶれを考慮して、言葉遣いを微調整すると良いでしょう。
「!」や顔文字は避ける、でも温かみは伝える工夫
招待状は、フォーマルな文書としての側面も持ち合わせています。
そのため、感嘆符(!)や顔文字の使用は避けましょう。
しかし、温かい気持ちを伝えたいという想いは、言葉の選び方や文章の構成で十分に表現できます。
例えば、お二人の出会いや、結婚に至るまでのエピソードを、簡潔に紹介するのも良い方法です。
「〇〇(新郎の名前)と〇〇(新婦の名前)は、〇〇(出会いのきっかけ)で出会い、お互いの〇〇なところに惹かれ、この度、結婚の運びとなりました。
」といった一文は、ゲストに二人のことをより身近に感じてもらうきっかけになります。
また、「皆様の笑顔にお会いできることを、何よりも楽しみにしております。
」といった、ゲストへの期待感を伝える言葉は、温かい雰囲気を醸し出します。
さらに、写真やイラストを添えることで、視覚的にも親しみやすさを演出することができます。
ただし、写真やイラストは、あくまでもフォーマルなデザインの範囲内に収めるようにしましょう。
【例文】
「この度、私たち〇〇 〇〇と〇〇 〇〇は、〇月〇日をもちまして、夫婦となりました。
〇〇(新郎の名前)の温厚な人柄と、〇〇(新婦の名前)の明るさに惹かれ、いつしかかけがえのない存在となりました。
つきましては、日頃よりお世話になっております皆様に、感謝の気持ちを込めて、ささやかなお披露目の会を催したく存じます。
堅苦しいお話は抜きにして、皆様と美味しいお料理とお酒を囲みながら、楽しいひとときを過ごせたらと思っております。
皆様の笑顔にお会いできることを、心より楽しみにしております。
」
この例文では、お二人の馴れ初めを簡潔に紹介し、「かけがえのない存在となりました」という言葉で、お互いを想う気持ちを表現しています。
また、「堅苦しいお話は抜きにして」「美味しいお料理とお酒を囲みながら、楽しいひとときを過ごせたら」という一文は、ゲストにリラックスして楽しんでほしいというお二人の願いを伝えています。
「皆様の笑顔にお会いできることを、心より楽しみにしております。
」という結びの言葉は、温かさと丁寧さを兼ね備えた、理想的な表現と言えるでしょう。
招待状のデザインに、お二人の写真や、手書きのイラストなどを添えるのも、オリジナリティが出ておすすめです。
まとめ
カジュアル婚・少人数婚の結婚式招待状は、形式にとらわれすぎず、お二人の想いを素直に伝えることが何よりも大切です。
今回ご紹介した文例や言葉選びのコツを参考に、ゲストへの感謝の気持ちと、結婚の喜びを、温かい言葉で伝えてみてください。
時候の挨拶で季節感を添え、「ささやかなお披露目の会」といった言葉でかしこまりすぎない雰囲気を演出し、お二人の人柄が伝わるようなエピソードを簡潔に加えることで、親しみやすさと丁寧さのバランスが取れた、心温まる招待状が完成します。
感嘆符や顔文字は避けつつも、「皆様の笑顔にお会いできることを、心より楽しみにしております。
」といった言葉で、ゲストへの期待と感謝を伝える工夫を凝らしましょう。
お二人の想いが詰まった招待状は、ゲストにとって、結婚式への期待感を高める、素敵な「最初のおもてなし」となるはずです。
ぜひ、お二人らしい言葉で、大切なゲストへ祝福の気持ちを伝えてください。

