ブライダルフェアで「注意すべき」ポイントの見極め方:賢く理想の結婚式を見つけるために
結婚式場探しは、人生における一大イベント。
その第一歩として多くのカップルが利用するのがブライダルフェアです。
しかし、華やかな演出や特典に目を奪われ、本当に大切なことを見落としてしまうことも少なくありません。
今回は、そんな「注意すべきブライダルフェア」を見抜くための具体的なチェックリストを、経験豊富なウェディングプランナーの視点から、あなたの結婚式準備をよりスムーズで実りあるものにするための情報と共にお届けします。
賢くフェアを選び、後悔のない結婚式場決定につなげましょう。
特典や割引に隠された落とし穴:本当に必要なものを見極める
ブライダルフェアの魅力の一つは、魅力的な特典や割引です。
しかし、これらの甘い誘惑には、注意深く見極めるべきポイントが隠されています。
例えば、「成約特典として〇〇プレゼント!」といった謳い文句は魅力的ですが、そのプレゼントが本当に自分たちの結婚式に必要なものなのか、あるいは、そのプレゼントが付くことで本来であれば不要なオプションまで契約させられていないか、冷静に判断する必要があります。
「今だけ」「限定」の言葉に惑わされないための交渉術
多くのフェアで使われる「今だけの特別価格」「本日ご成約の方限定」といった言葉は、私たちを焦らせ、冷静な判断を鈍らせる効果があります。
しかし、結婚式場は一つではありません。
複数の会場を比較検討する時間を持つこと、そして「他の会場の条件も確認してから決めたい」と正直に伝える勇気を持つことが重要です。
もし、提示された条件が本当に魅力的であれば、会場側も「検討の余地がある」と判断し、後日改めて連絡をくれるはずです。
また、特典内容を具体的に「〇〇(例:ウェディングドレスのレンタル費用から〇万円引き)」「〇〇(例:エンドロールムービーの無料上映)」のように、金額や具体的なサービス内容で確認する癖をつけましょう。
漠然とした「プレゼント」では、後々トラブルの原因になりかねません。
例えば、あるカップルは、フェアで「装花一式プレゼント」という特典に惹かれて即決したものの、後日、その「一式」に含まれる範囲が非常に限定的で、結局追加料金が大幅にかかってしまったという経験談を語ってくれました。
このように、特典の内容を具体的に確認し、自分たちの予算や希望に合っているかをしっかり見極めることが大切です。
見学時間と説明内容のバランス:「聞きたいこと」をしっかり聞けるか
ブライダルフェアの時間は限られています。
その短い時間の中で、会場の設備や雰囲気、プラン内容などを効率よく把握する必要があります。
しかし、中には、会場の魅力を一方的に語るだけで、こちらの質問にはあまり時間を割いてくれない、あるいは質問しにくい雰囲気のフェアも存在します。
「この会場の〇〇(例:料理の試食)を体験したいのですが、時間はありますか?」「〇〇(例:ゲストの宿泊施設)について詳しく教えていただけますか?」といった、自分たちが本当に知りたいことを事前にリストアップしておき、フェアの冒頭で「本日は〇〇について詳しく伺いたいのですが、お時間はいただけますでしょうか?」と伝えておくと、より有意義な時間になります。
また、説明が一方的で、こちらの要望や疑問に寄り添ってくれないと感じた場合は、そのフェアは「注意が必要」と判断するサインかもしれません。
あるカップルは、担当者の説明が早口で、質問を遮られることが多かったため、最終的にその会場は見送ったそうです。
「本当に私たちのことを理解しようとしてくれているのかな?」という疑問を感じたときは、その直感を大切にしましょう。
見えないコストに注意:後から追加される費用とその回避策
ブライダルフェアで提示されるプラン料金は、あくまで「基本料金」であることがほとんどです。
実際には、結婚式を準備していく過程で、様々な追加費用が発生する可能性があります。
これらの「見えないコスト」に気づかず、後から予算オーバーになってしまうケースは少なくありません。
プラン料金に含まれる範囲を徹底的に確認する
「料理〇〇円~」「衣裳〇〇万円~」といった表示は、あくまで最低価格であり、選ぶ内容によっては大きく変動することを理解しておく必要があります。
例えば、衣裳のフリーチョイスプランと謳っていても、実際には、追加料金のかかるブランドやデザインがほとんど、というケースもあります。
また、料理のコースも、ランクアップさせるとあっという間に予算を超えてしまうことがあります。
「このプランには、具体的に何が含まれていますか?」と、一つ一つ確認することが重要です。
例えば、装花についても、「メインテーブルとゲストテーブルのお花」は含まれていても、「ブーケ」や「ブートニア」、「親御様用のお花」は別料金、ということもよくあります。
これらの確認を怠ると、後々「これも必要だったのに!」と、想定外の出費が発生することになります。
ある経験者は、「フェアで提示されたプランは魅力的だったが、後から『この装花はプラン外です』『この演出は追加料金になります』と次々に言われ、結局当初の予算を大幅に超えてしまった」と語っています。
「このプランで、どこまで実現できますか?」と、具体的なイメージを伝えながら確認することが、後々のトラブルを防ぐ鍵となります。
「オプション」の罠:本当に必要か、代替案はないか
結婚式場では、様々な「オプション」が用意されています。
例えば、プロジェクションマッピングを使った演出、生演奏、特別なデザートビュッフェなど、魅力的なオプションは数多くあります。
しかし、これらのオプションは、当然ながら追加料金が発生します。
「これは本当に私たちの結婚式に必須か?」「このオプションがないと、残念な結婚式になってしまうか?」と、自問自答することが大切です。
また、会場が提案するオプション以外にも、外部の業者に依頼することで、より安価に、あるいは自分たちのイメージに合った演出が実現できる場合もあります。
例えば、映像演出であれば、会場提携の業者ではなく、フリーランスの映像クリエイターに依頼することで、オリジナリティあふれるムービーを、よりリーズナブルな価格で制作できることもあります。
「このオプションと同じような効果を得られる、もっと費用を抑えられる方法はありませんか?」と、担当者に相談してみることも有効です。
あるカップルは、会場のオリジナル演出に惹かれたものの、費用が高額だったため、代わりに友人に協力してもらい、オリジナルの余興を企画することで、費用を抑えつつ、アットホームな雰囲気の結婚式を実現しました。
「会場の提案を鵜呑みにせず、自分たちの予算と希望を照らし合わせて、本当に必要なものだけを選ぶ」という姿勢が、賢い結婚式場選びにつながります。
会場の「本質」を見抜く:見せかけの華やかさの裏側
ブライダルフェアでは、会場の魅力を最大限に引き出すための演出が施されています。
しかし、その華やかさの裏側にある「本質」を見抜くことが、後悔しない会場選びには不可欠です。
「見せ方」に惑わされない、リアルな会場の姿
フェア当日、会場は最高の状態で私たちを迎えてくれます。
しかし、普段の結婚式では、どのような状態なのか?という視点も大切です。
例えば、フェアでは、最新の音響設備や照明設備がフル活用されているかもしれませんが、実際の結婚式では、そこまで大規模な演出は行わない、ということもあります。
また、披露宴会場の装飾も、フェア用に特別にコーディネートされている場合が多いです。
「普段の結婚式では、どのような装飾になりますか?」「私たちの希望するテイストの装飾は可能ですか?」といった質問をすることで、よりリアルな会場の姿が見えてきます。
ある経験者は、フェアではゴージャスな装飾が施されていた披露宴会場が、実際には、自分たちが希望するナチュラルテイストの装飾では少し寂しくなってしまうことに気づき、他の会場を選んだそうです。
「フェアで見たイメージが、そのまま自分たちの結婚式で実現できるのか?」という点を、具体的に確認することが重要です。
また、可能であれば、実際に結婚式が行われている時間帯に、会場の外観や周辺の雰囲気を確認してみるのも良いでしょう。
例えば、駅からのアクセスや、周辺の騒音なども、ゲストにとって重要な要素となります。
担当者の対応から見える「誠実さ」と「提案力」
ブライダルフェアでの担当者の対応は、その会場の「顔」とも言えます。
質問に対して誠実に答えてくれるか、こちらの要望を親身に聞いてくれるか、そして、こちらのイメージを具体化するための提案をしてくれるか、といった点は、会場選びの重要な判断材料となります。
例えば、こちらの予算や希望を伝えた際に、「それは難しいですね」とすぐに諦めるのではなく、「では、このような方法はいかがでしょうか?」と、代替案や実現に向けた具体的な提案をしてくれる担当者は、信頼がおけます。
逆に、こちらの質問を曖昧に濁したり、一方的に会場の都合の良いプランを押し付けようとしたりする担当者の場合は、注意が必要です。
あるカップルは、担当者がこちらの予算を伝えると露骨に態度を変えたため、その会場は「私たちには合わない」と感じ、すぐにフェアを切り上げたそうです。
「この担当者と、結婚式までの準備期間を一緒に過ごせるだろうか?」という視点で、担当者との相性も確認してみましょう。
誠実で、かつ提案力のある担当者であれば、きっと理想の結婚式を実現するための心強いパートナーになってくれるはずです。
まとめ
ブライダルフェアは、理想の結婚式場を見つけるための貴重な機会ですが、その一方で、見落としがちな注意点も存在します。
特典や割引に惑わされず、プラン料金に含まれる範囲を徹底的に確認し、見えないコストに注意を払うことが重要です。
また、会場の「見せ方」に惑わされず、リアルな会場の姿や、担当者の対応から「誠実さ」と「提案力」を見抜くことも大切です。
今回ご紹介した「注意すべきブライダルフェア」の見分け方を参考に、あなたにとって最高の結婚式場を見つけてください。
後悔のない、素晴らしい結婚式を実現するための第一歩となることを願っています。