「結婚式は一生に一度のことだから、こだわりたい!」。
そう思って準備を進めているうちに、予想以上に費用がかかってしまうことは少なくありません。
特に、希望の会場やドレス、演出などを追求すると、あっという間に予算オーバー…なんてことも。
そんな時、「ブライダルローン」という言葉を耳にして、「これを使えば理想の結婚式が叶うかも?」と考える方もいらっしゃるでしょう。
でも、ローンと聞くと少し不安になりますよね。
ブライダルローンを組むことには、理想を叶えるメリットがある一方で、注意すべきデメリットも存在します。
この記事では、ブライダルローンについて、その仕組みからメリット・デメリット、そして利用する際の注意点まで、分かりやすく解説していきます。
結婚式の費用準備に悩んでいる方は、ぜひ最後まで読んで、自分たちにとって最適な方法を見つける参考にしてください。
ブライダルローンとは?メリット・デメリットを整理しよう
結婚式の費用は、会場費、衣装代、料理・飲み物代、引き出物、演出、写真・ビデオなど、多岐にわたります。
これらの合計額は、規模や内容によって大きく変動しますが、一般的には数百万円単位となることがほとんどです。
自己資金だけでは、希望する結婚式をすべて実現するのが難しい場合もあります。
そこで選択肢の一つとして挙がるのがブライダルローンです。
そもそもブライダルローンってどんなローン?
ブライダルローンとは、その名の通り結婚式や結婚に関連する費用に特化した目的別ローンです。
銀行や信用金庫、JAバンク、労働金庫(ろうきん)などの金融機関が提供しています。
多くの場合、結婚式費用だけでなく、新婚旅行、新居への引っ越し費用、家具・家電の購入費用、結婚指輪の購入費用など、結婚に関する幅広い費用に利用できるのが特徴です。
利用使途が結婚関連費用に限定されているため、フリーローンなどに比べて金利が低めに設定されていることが多い傾向にあります。
また、金融機関によっては、結婚式の費用を結婚式場へ直接振り込んでくれるサービスを提供している場合もあります。
ブライダルローンは、結婚というライフイベントをサポートするための、比較的利用しやすいローンと言えるでしょう。
ただし、具体的な利用条件や金利、借入限度額などは金融機関によって大きく異なりますので、事前にしっかりと比較検討することが重要です。
ブライダルローンの大きなメリットとは?
ブライダルローンを利用する最大のメリットは、なんと言っても自己資金が不足していても、希望する時期に理想の結婚式を実現できる点です。
結婚式の費用は一般的に前払いが多く、式の数ヶ月前や1ヶ月前までにまとまった金額を支払う必要があります。
貯蓄が間に合わない場合や、自己資金を減らしたくない場合に、ローンで一時的に費用を賄うことができます。
例えば、ゲストハウスでの結婚式を希望しているけれど、会場費用の前払いが厳しく、貯蓄が追いつかないというケース。
ブライダルローンを利用すれば、期日までに必要な金額を準備でき、憧れの会場で式を挙げることが可能になります。
また、新婚旅行や新居の準備など、結婚式以外の費用にも充当できる場合が多いため、結婚に関する全体の資金計画が立てやすくなるのもメリットです。
さらに、目的別ローンであるため、金利が他の無担保ローン(フリーローンなど)と比較して低い傾向にあることも、返済負担を軽減する上で大きな利点となります。
計画的に利用すれば、資金繰りの不安なく、結婚準備を進めることができるでしょう。
知っておきたいブライダルローンのデメリット
ブライダルローンにはメリットがある一方で、もちろんデメリットも存在します。
最も大きなデメリットは、借りたお金には利息が発生し、将来的に返済の負担が生じることです。
結婚式というおめでたいイベントのために借金をするという事実に抵抗を感じる方もいらっしゃるかもしれません。
また、結婚式の後すぐに新生活が始まる中で、毎月のローン返済が家計を圧迫する可能性も考えられます。
例えば、結婚後すぐに引っ越しや家具購入、さらに将来的に出産や育児といったライフイベントが控えている場合、ブライダルローンの返済と重なることで、経済的な余裕がなくなってしまうリスクがあります。
また、ブライダルローンを利用するためには金融機関の審査を通過する必要があります。
審査に落ちてしまう可能性もゼロではありません。
さらに、金融機関によっては保証人が必要になる場合や、保証会社の利用が必須となることもあり、その場合は保証料が発生します。
借り入れは将来の自分たちへの投資であると同時に、返済義務という負担を背負うことになります。
安易に借りるのではなく、返済計画をしっかりと立て、無理のない範囲で利用することが非常に重要です。
ブライダルローン以外にも!結婚資金を準備する方法
結婚式の費用を工面する方法は、ブライダルローンだけではありません。
様々な選択肢を組み合わせたり、工夫したりすることで、資金の準備を進めることができます。
自分たちにとって最適な方法を見つけるために、他の選択肢も検討してみましょう。
自己資金やご祝儀、親からの援助を考える
結婚資金の基本となるのは、やはり自分たちの貯蓄である自己資金です。
日頃から計画的に貯金をしておくことが、結婚準備の第一歩となります。
いつまでにどれくらいの費用が必要か、具体的な目標額を設定して貯蓄を進めましょう。
次に大きな助けとなるのが、結婚式当日にゲストからいただくご祝儀です。
ご祝儀は地域やゲストとの関係性によって異なりますが、一般的に一人あたり3万円程度が目安とされています。
ただし、ご祝儀は結婚式の費用を全て賄えるわけではなく、またいただけるタイミングは式が終わってからになるため、式前の前払いに充てることは難しい点に注意が必要です。
多くの場合は、ご祝儀を結婚式の最終的な支払いや新婚旅行、新生活の費用に充てることになります。
親からの援助も、結婚資金を大きく助けてくれる可能性があります。
両親や祖父母から結婚資金の援助を受けるカップルは少なくありません。
援助の有無や金額については、早い段階でご両親と話し合ってみることをおすすめします。
ただし、親からの援助は「贈与」にあたるため、金額によっては贈与税がかかる場合があります。
結婚資金の贈与には非課税枠が設けられている制度もあるため、税金についても確認しておくと安心です。
例えば、結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置など、利用できる制度がないか調べてみましょう。
これらの自己資金、ご祝儀、親からの援助を組み合わせることで、必要な費用をかなりカバーできる可能性があります。
フリーローンやカードローンなど他の選択肢との比較
ブライダルローン以外にも、結婚資金に充てられる可能性のあるローンとして、フリーローンやカードローンがあります。
フリーローンは、使途が自由な目的別ローンです。
ブライダルローンと同様に、比較的低金利で借りられる可能性がありますが、審査基準や借入条件は金融機関によって異なります。
ブライダルローンよりも金利が高い場合もあれば、条件次第では有利な場合もあります。
カードローンは、限度額の範囲内で繰り返し借り入れと返済ができるローンです。
審査スピードが速く、急な出費に対応しやすいというメリットがありますが、一般的にブライダルローンやフリーローンに比べて金利が高めに設定されています。
手軽に借りられる反面、返済期間が長期化したり、利息負担が大きくなったりしやすいというデメリットがあります。
結婚資金としてまとまった金額を借りる場合は、金利負担を考慮すると、まずはブライダルローンやフリーローンを検討するのが一般的です。
ただし、少額の追加費用や急な支払いが必要になった場合に、カードローンを一時的に利用するという選択肢もあり得ます。
それぞれのローンの特徴を理解し、金利、返済期間、審査の通りやすさなどを比較検討して、自分たちの状況に最も適した方法を選ぶことが大切です。
安易に高金利のローンに頼るのではなく、計画的に低金利のローンを検討しましょう。
結婚式の費用を抑える工夫
ローンを組む前に、またはローンと組み合わせて、結婚式の費用そのものを抑える工夫をすることも非常に有効です。
結婚式の費用は、項目ごとに見直すことで節約できるポイントが数多くあります。
例えば、結婚式の時期をトップシーズンからずらしたり、平日や仏滅の日を選んだりすることで、会場費用が割引になる場合があります。
招待するゲストの人数を調整することも、費用に大きく影響します。
手作りのアイテムを取り入れたり、外部の業者に持ち込みを検討したりすることも、費用削減につながる可能性があります。
ただし、持ち込みに関しては会場によってルールや持ち込み料が異なるため、事前に確認が必要です。
衣装に関しても、レンタルだけでなく、購入して二次会や後撮りにも活用したり、フリマアプリなどで譲り受けたりする選択肢も考えられます。
写真やビデオも、提携業者だけでなく外部業者と比較検討したり、親しい友人にお願いしたりすることも選択肢の一つです。
すべての項目で妥協するのではなく、自分たちが何を一番大切にしたいかを明確にし、優先順位をつけて費用をかける部分と抑える部分を決めましょう。
結婚式の費用を賢く抑えることで、必要な借入額を減らし、将来的な返済負担を軽くすることができます。
ブライダルローンを検討する際に抑えるべき注意点
ブライダルローンを利用することを決めた場合、後々のトラブルを防ぎ、計画的に返済していくために、いくつか重要な注意点があります。
安易に契約するのではなく、しっかりと内容を理解し、リスクを把握しておくことが大切です。
申し込みから融資までの流れと審査基準
ブライダルローンの申し込みから融資が実行されるまでの流れは、金融機関によって多少異なりますが、一般的には、まずインターネットや窓口で仮審査の申し込みを行います。
仮審査に通ったら、正式な申し込みを行い、必要書類を提出します。
提出書類には、本人確認書類、収入証明書類(源泉徴収票や確定申告書など)、資金使途を確認できる書類(結婚式場の見積書など)などが含まれます。
その後、金融機関による本審査が行われ、審査に通れば契約手続きを経て、融資が実行されます。
この一連の流れには、一般的に数週間から1ヶ月程度かかることが多いため、結婚式の支払期日に間に合うように、余裕を持って申し込みを進めることが重要です。
特に、結婚式の数ヶ月前には申し込みを済ませておくと安心です。
審査基準については、金融機関によって異なりますが、主に申し込みをする方の安定した収入、勤務先、勤続年数、過去の借入や返済履歴を含む信用情報などが重視されます。
例えば、正社員として数年以上勤務しており、過去にローンの延滞などがない場合は、比較的審査に通りやすい傾向があります。
一方で、勤続年数が短い場合や、複数の会社から借り入れがある場合、過去に金融トラブルを起こしたことがある場合は、審査が厳しくなる可能性があります。
パートナーと共同で申し込む場合や、どちらか一方の名義で申し込む場合など、申し込み形態によっても審査のポイントが異なることがあります。
審査に不安がある場合は、事前に金融機関に相談したり、信用情報機関に情報開示を請求したりすることも検討してみましょう。
賢い返済計画と注意すべきリスク
ブライダルローンを利用する上で最も重要なのは、無理のない返済計画を立てることです。
借り入れる金額、金利、返済期間によって、毎月の返済額は大きく変わります。
自分たちの世帯収入や、結婚後の生活費、将来的なライフイベントにかかる費用(出産、育児、マイホーム購入など)を考慮して、毎月無理なく返済できる金額を設定しましょう。
返済期間を短くすれば総利息額は減りますが、毎月の返済額は高くなります。
逆に、返済期間を長くすれば毎月の返済額は抑えられますが、総利息額は増えます。
将来の家計を見通して、最適な返済計画を立てることが大切です。
また、ブライダルローンにはいくつかのリスクも存在します。
一つは、予期せぬ収入減や大きな出費によって、返済が困難になるリスクです。
病気や失業、家族の介護など、人生には何が起こるか分かりません。
万が一、返済が滞ってしまった場合、遅延損害金が発生したり、信用情報に傷がついたりする可能性があります。
二つ目は、結婚式が中止・延期になった場合のリスクです。
ほとんどのブライダルローンは、結婚式が中止になったとしても、借り入れたお金の返済義務は残ります。
結婚式場との契約内容やキャンセルポリシー、そしてローンの契約内容を事前にしっかりと確認しておく必要があります。
これらのリスクを理解した上で、万が一に備えた貯蓄を少しでも確保しておくことや、夫婦でしっかりと家計管理を行うことが重要です。
金融機関によっては、万が一の事態に備えた団体信用生命保険(団信)に加入できる場合もありますので、確認してみましょう。
借りる前に必ず確認したいこと
ブライダルローンを申し込む前に、いくつかの点を必ず確認しておきましょう。
まず、最も重要なのが金利と総返済額です。
表示されている金利だけでなく、保証料や手数料を含めた実質年率で比較することが大切です。
複数の金融機関のブライダルローンを比較し、最も条件の良いところを選びましょう。
次に、借入限度額と最低借入額です。
希望する金額が借りられるか、また少額でも借りられるかを確認します。
そして、返済期間と返済方法です。
最長で何年まで借りられるか、毎月の返済日はいつか、口座振替以外の返済方法はあるかなどを確認します。
また、繰り上げ返済に関する条件も重要です。
結婚式後にご祝儀が入ったり、貯蓄が進んだりした場合に、まとめて返済することで総利息額を減らすことができます。
繰り上げ返済の手数料がかかるか、一部繰り上げ返済は可能かなどを確認しておくと良いでしょう。
さらに、資金使途の範囲も確認が必要です。
結婚式費用だけでなく、新婚旅行や家具購入などに使いたい場合は、どこまでがローンの対象となるのかを明確にしておきましょう。
最後に、申し込みに必要な書類や手続き、審査にかかる期間を事前に確認し、結婚式の支払期日に間に合うように計画を立てることが不可欠です。
これらの情報をしっかりと比較検討し、疑問点があれば遠慮なく金融機関に問い合わせて、納得した上で申し込みに進みましょう。
まとめ
理想の結婚式を実現するために、ブライダルローンは有効な選択肢の一つとなり得ます。
自己資金だけでは難しい費用をカバーし、希望の時期に結婚式を挙げられるという大きなメリットがあります。
しかし、借り入れは将来の返済義務を伴うため、金利負担や家計への影響といったデメリットも十分に理解しておく必要があります。
ブライダルローンを検討する際は、その仕組みや他のローンとの違いを知り、金利や返済条件、審査基準などを複数の金融機関で比較することが大切です。
また、ローンだけでなく、自己資金、ご祝儀、親からの援助、そして結婚式の費用自体を抑える工夫など、様々な資金準備の方法を組み合わせることも検討しましょう。
最も重要なのは、将来の生活を見据えた無理のない返済計画を立てることです。
安易な借り入れは避け、自分たちの収入や今後のライフプランを考慮し、賢く資金を準備することが、幸せな結婚生活を送るための第一歩となります。
この記事が、結婚資金の準備に悩む方々にとって、最適な選択をするための一助となれば幸いです。