結婚式にお招きされたとき、嬉しい気持ちと同時に「マナーは大丈夫かな?」「失礼がないようにしたいけれど、具体的に何を気をつけたら良いんだろう?」と不安に感じる方は少なくありません。
特に、初めて参加する場合や、久しぶりの結婚式では、最近のマナーや細かいルールに迷うこともありますよね。
新郎新婦にとって一生に一度の大切な日を、心から祝福し、気持ちよく過ごしてもらうためには、ゲストとしての振る舞いが非常に重要になります。
この大切な機会に、新郎新婦やご家族、他のゲストの方々に不快な思いをさせないよう、事前にしっかりと準備をしておくことが、ゲストとしての結婚式マナーで失礼を避けるための最も確実なポイントです。
この記事では、結婚式にゲストとして招かれた際に知っておくべき基本的なマナーから、意外と見落としがちな注意点まで、具体的な例を交えながら詳しく解説していきます。
最後までお読みいただければ、自信を持って結婚式に参加し、新郎新婦の晴れ姿を心からお祝いできるようになるはずです。
結婚式に招かれたらまず確認!事前の準備と返信マナー
結婚式の招待状を受け取った瞬間から、ゲストとしてのマナーは始まります。
まず最も大切なのは、招待状への返信です。
返信はがきは、新郎新婦がゲストの人数を把握し、席次や料理、引き出物などを手配するための重要な情報源となります。
そのため、できるだけ早く返信することが何よりも大切です。
遅くとも、返信期日の1週間前までには投函するのが理想的です。
返信はがきには、出席・欠席に丸をつけ、名前と住所を記入しますが、ここで一つ心遣いを加えることができます。
出席に丸をつける場合、欠席の文字は二重線や寿の文字で丁寧に消しましょう。
同様に、行名や様などの敬称も二重線で消し、自分の名前に「様」を付け加えるのが丁寧な方法です。
メッセージ欄には、新郎新婦への祝福の言葉と、出席できることへの喜び、そして今後の二人の幸せを願う気持ちを簡潔に綴ります。
「ご結婚おめでとうございます」「末永くお幸せに」といった定型文に加えて、個人的なエピソードや二人の馴れ初めに触れる一言を添えると、より気持ちが伝わります。
例えば、「〇〇(新郎)とは大学時代からの友人ですが、いつも△△(新婦)さんの話を楽しそうにしていました。
念願叶って本当に嬉しいです。
」のように、具体的な言葉は新郎新婦を感動させるでしょう。
返信はがきは、二人の手元に残り、結婚準備の励みにもなります。
細部まで心を配り、感謝と祝福の気持ちを込めて返信することが、ゲストとしての最初の重要なマナーです。
招待状の返信、いつまでにどう伝える?
結婚式の招待状が届いたら、まずは日付と場所を確認し、出席できるかどうかを速やかに判断しましょう。
返信期日が設けられていますが、新郎新婦はゲストの人数が確定しないと、会場への最終的な人数報告や引き出物の手配、席次表の作成などが進められません。
そのため、できるだけ早く、遅くとも期日の1週間前までには返信するのがマナーとされています。
もし、どうしても期日までに判断できない事情がある場合は、招待状を受け取った後すぐに新郎新婦に連絡を取り、事情を説明した上で、いつまでに返信できるか具体的に伝えましょう。
曖昧な返事は新郎新婦を困らせてしまいます。
返信はがきを記入する際は、黒または濃い青の万年筆やボールペンを使用するのが一般的です。
インクの色が薄いペンや、消せるボールペンは避けましょう。
出席する場合、返信はがきの「御出席」に丸をつけ、「御欠席」「御芳名」「御住所」の「御」や「御芳」といった敬称は二重線で消します。
また、自分の名前の下に書かれている「行」や「宛」なども二重線で消し、代わりに「様」と書き加えます。
メッセージ欄には、お祝いの言葉と、出席できることへの喜びや楽しみにしている気持ちを添えましょう。
欠席する場合も、同様に丁寧な言葉遣いを心がけ、やむを得ない理由で欠席せざるを得ないことへのお詫びと、二人の今後の幸せを願う言葉を添えます。
返信はがきは、単なる出欠確認ではなく、新郎新婦への感謝と祝福の気持ちを伝える大切な手段です。
一文字一文字に心を込めて記入し、切手を貼り忘れないように注意して投函しましょう。
ご祝儀の金額相場と包み方、失礼のない渡し方
結婚式のご祝儀は、新郎新婦へのお祝いの気持ちを表すとともに、新しい門出を応援する意味合いがあります。
金額の相場は、新郎新婦との関係性によって異なりますが、一般的には友人や会社の同僚であれば3万円、親族であれば5万円から10万円、上司であれば3万円から5万円が目安とされています。
ただし、これはあくまで一般的な相場であり、地域や家柄によって異なる場合もあります。
大切なのは、無理のない範囲で、心からお祝いしたいという気持ちを込めて金額を決めることです。
ご祝儀には、偶数は割り切れるため「別れ」を連想させるとされ、避けるのが一般的です。
ただし、最近では「10万円」は「10」が区切りが良いとして許容されることもあります。
また、「4(死)」や「9(苦)」も縁起が悪い数字として避けられます。
新しいお札を用意するのがマナーです。
これは「新郎新婦の新しい門出を祝う」という意味や、「この日のためにきちんと準備しました」という敬意を表すためです。
銀行の窓口で両替してもらうのが最も確実です。
ご祝儀袋は、紅白または金銀の結び切りの水引がかかったものを選びます。
結び切りは、「一度きり」という意味合いがあり、結婚式に適しています。
表書きは、毛筆や筆ペンで「御結婚御祝」または「御祝」と書き、その下に自分のフルネームを楷書で丁寧に書きます。
中袋には、金額を旧字体(例:三万円→金参萬円)で書き、住所と氏名も記入します。
中袋にお札を入れる際は、お札の肖像画が中袋の表側を向くように入れ、肖像画が上になるように揃えます。
ご祝儀袋は袱紗(ふくさ)に包んで持参するのが正式なマナーです。
受付で渡す直前に袱紗から取り出し、両手で受付の方に渡します。
その際、「この度はおめでとうございます」など、簡単なお祝いの言葉を添えましょう。
欠席・遅刻・早退…やむを得ない場合の連絡方法
結婚式への招待を受け、楽しみにしていたものの、やむを得ない事情で欠席、あるいは遅刻や早退をせざるを得なくなることもあります。
このような場合、最も重要なのは可能な限り早く、そして丁寧な方法で新郎新婦に連絡することです。
招待状の返信期日前に欠席が決まった場合は、返信はがきで欠席を伝えるとともに、電話やメッセージアプリなどで直接新郎新婦に連絡し、お詫びと祝福の言葉を伝えるのが丁寧です。
返信期日を過ぎてから欠席が決まった場合は、すぐに電話で連絡しましょう。
式の直前であればあるほど、新郎新婦への影響は大きくなります。
料理や引き出物の数を変更したり、席次を調整したりする必要が出てくるため、できるだけ早く連絡することが最低限のマナーです。
欠席の理由を伝える際は、正直に話すのが基本ですが、慶事の場にふさわしくない内容(例:身内の不幸、病気など)の場合は、「やむを得ない事情により」といった表現にとどめる配慮も必要です。
後日改めてお祝いの品を贈ったり、別の日にお祝いの食事に誘ったりするなど、フォローを忘れずに行いましょう。
遅刻や早退の場合も、分かった時点で新郎新婦に連絡し、何時頃到着(または退出)予定かを伝えます。
到着が受付開始時刻を過ぎる場合は、受付を通らずに会場スタッフの案内に従うことになるため、事前に確認しておくと安心です。
早退の場合も、披露宴の進行の妨げにならないよう、タイミングを見計らって静かに退出します。
いずれの場合も、新郎新婦に迷惑をかけまいとする心遣いが最も大切です。
事前に確認しておきたい会場情報と持ち物
結婚式当日に慌てたり、思わぬ事態に備えたりするためには、事前の情報収集と持ち物チェックが欠かせません。
まず、会場の場所と最寄り駅からのアクセス方法、所要時間をしっかりと確認しましょう。
公共交通機関を利用する場合、乗り換え案内アプリなどを活用して、いくつかの経路を調べておくと安心です。
車で向かう場合は、駐車場の有無や料金、周辺のコインパーキングの場所を確認しておきましょう。
また、会場周辺は結婚式が多いエリアの場合、駐車場が混み合うことも予想されますので、早めに到着する計画を立てるのが賢明です。
会場の公式サイトや招待状に記載されている情報を確認し、クロークの有無や、更衣室の有無、授乳室やおむつ交換台の有無(子連れの場合)などもチェックしておくと、当日スムーズに行動できます。
特に、遠方からの参加や二次会への参加を予定している場合は、荷物を預けられるクロークの場所や利用時間を確認しておきましょう。
持ち物としては、まず招待状を忘れずに持っていきましょう。
受付で提示を求められる場合があります。
ご祝儀は袱紗に包んで持参し、予備のご祝儀袋や筆ペンもあると安心です。
女性の場合、パーティーバッグは小さめなので、サブバッグもあると便利です。
メイク直し用のコスメ、予備のストッキング、ハンカチ、ティッシュ、携帯の充電器なども必需品です。
特に女性は、ストッキングの伝線や靴擦れに備えて、予備のストッキングや絆創膏を忍ばせておくことを強くおすすめします。
会場によっては冷房が効きすぎている場合もあるため、羽織ものがあると体温調節ができて快適に過ごせます。
事前にこれらの情報を確認し、必要な持ち物をリストアップして準備しておくことで、当日はゆとりを持って結婚式に臨むことができます。
これで安心!結婚式当日の振る舞いと服装マナー
結婚式当日、会場に到着してからのゲストの振る舞いも、新郎新婦や他のゲストへの配慮を示す大切なポイントです。
まず、受付では笑顔で挨拶し、ご祝儀を渡します。
記帳を求められたら、芳名帳に丁寧に氏名と住所を記入します。
この際、筆ペンや万年筆を使用するのが正式ですが、会場に用意されていることも多いです。
受付の方への感謝の言葉も忘れずに伝えましょう。
受付を済ませたら、控室や待合スペースで開宴までの時間を過ごします。
この時間は、久しぶりに会う友人や知人との会話を楽しむ良い機会ですが、大声で騒いだり、立ち話で通路を塞いだりしないよう注意が必要です。
携帯電話はマナーモードに設定し、通話は周りの迷惑にならない場所で行いましょう。
特に、挙式が始まる前のチャペルや神殿では、私語は控えるのがマナーです。
披露宴会場に入場する際は、席次表で自分の席を確認し、スムーズに着席します。
席次には新郎新婦のゲストへの配慮が込められていますので、勝手に席を移動したり、他のゲストの席に座ったりすることは絶対に避けましょう。
披露宴中は、新郎新婦やスピーチをする方、余興を行う方々に注目し、温かい拍手を送ることが大切です。
食事や飲み物は、周囲のペースに合わせ、上品にいただきましょう。
結婚式当日の振る舞いは、単にルールを守るだけでなく、その場にいるすべての人への敬意と祝福の気持ちを表す機会です。
細やかな気配りを心がけることで、新郎新婦にとっても、他のゲストにとっても、心地よい空間を共有することができます。
ゲストの服装、失敗しないための選び方(男女別)
結婚式にゲストとして参加する際、最も頭を悩ませるのが服装かもしれません。
新郎新婦をお祝いする気持ちを表しつつ、フォーマルな場にふさわしい品格のある装いをすることが大切です。
男女ともに共通する大原則は、「新郎新婦よりも目立たないこと」と「白やオフホワイトなど、花嫁の色とされる色は避けること」です。
女性の場合、白やオフホワイトのドレスやワンピースはもちろんNGですが、これらの色の面積が大きい柄物や、全身が淡いベージュで白っぽく見えるような服装も避けた方が無難です。
また、全身黒ずくめの喪服を連想させるコーディネートも避け、華やかな小物やアクセサリーで彩りを加えましょう。
肩出しのドレスやノースリーブの場合は、挙式や披露宴の開始まではボレロやショールなどを羽織るのがマナーとされています。
スカート丈は膝が隠れる長さが上品とされます。
素材は、光沢のあるサテンやシフォン、レースなどが結婚式らしい華やかさを演出できます。
アニマル柄やファー、革製品は「殺生」を連想させるため、お祝いの席にはふさわしくないとされています。
靴はヒールのあるパンプスが一般的ですが、オープントゥやミュール、サンダル、ブーツはカジュアルすぎるため避けましょう。
男性の場合、ブラックスーツに白無地のシャツ、白またはシルバーのネクタイが最もフォーマルなスタイルですが、最近ではダークカラー(濃紺、チャコールグレーなど)のスーツに、パステルカラーや柄物のネクタイを合わせるのも一般的になっています。
ただし、派手すぎる色柄や、キャラクターものは避けましょう。
シャツの色は白が基本ですが、淡いブルーやピンクなども許容される場合があります。
靴は黒の内羽根式ストレートチップが最も格式高いとされますが、プレーントゥやウイングチップでも問題ありません。
靴下は黒または濃い色を選びます。
カジュアルなコットン素材やくるぶし丈のソックスは避けましょう。
ポケットチーフを挿すと、より華やかで洗練された印象になります。
小物(靴、バッグ、アクセサリー)選びの落とし穴
結婚式のゲストファッションは、ドレスやスーツだけでなく、小物選びも非常に重要です。
むしろ、小物一つで全体の印象が大きく変わることもあります。
靴選びでは、女性の場合、オープントゥやサンダル、ミュールはカジュアルすぎるため、結婚式には不向きです。
つま先やかかとが出ないパンプスを選びましょう。
ヒールの高さは3cm以上が理想的ですが、歩きやすさも考慮して選びます。
ストッキングは肌色のものが基本ですが、控えめなラメ入りのものなども結婚式らしい華やかさを添えてくれます。
生足や黒いストッキングは避けるのがマナーです(お葬式を連想させるため)。
男性の場合、カジュアルなスニーカーやブーツはもちろんNGです。
革靴は、黒の内羽根式ストレートチップが最もフォーマルですが、ダークカラーのスーツに合わせて黒またはブラウン系の革靴を選びましょう。
バッグは、女性の場合、小ぶりのパーティーバッグが定番です。
クラッチバッグやチェーン付きのショルダーバッグなど、華やかなデザインのものを選びます。
ただし、荷物が多い場合は、クロークに預ける用のサブバッグを別に用意しましょう。
日常使いの大きなバッグやブランドの