結婚式は、お世話になった大切な方々へ感謝の気持ちを伝える特別な一日です。
特に披露宴などでの挨拶回りは、新郎新婦が直接ゲストと言葉を交わし、絆を深める貴重な時間。
しかし、「誰に、いつ、どんな言葉で挨拶すれば失礼にならないかな…」と不安に感じる方も多いのではないでしょうか。
限られた時間の中で、来てくださったすべての方に心を込めて接するためには、事前の準備と当日のちょっとした心がけが大切です。
この記事では、結婚式挨拶回りマナー失礼にならない方法に焦点を当て、ゲストへの感謝がきちんと伝わる、温かい挨拶回りの秘訣を詳しくご紹介します。
結婚式挨拶回りの基本と重要性
結婚式当日は、たくさんのゲストに囲まれ、あっという間に時間が過ぎていきます。
その中でも、新郎新婦が直接ゲストと触れ合う挨拶回りは、式の進行とは別に設けられる大切な時間です。
この挨拶回りを丁寧に行うことは、単なる形式ではなく、お世話になった方々への感謝の気持ちを直接伝え、今後の関係性をより一層深めるための重要な機会となります。
ゲスト一人ひとりに「来てくれてありがとう」の気持ちをきちんと伝えることで、結婚式はより心温まる、記憶に残る一日になるでしょう。
また、ゲストにとっても、新郎新婦と直接話せることは大きな喜びであり、祝福の気持ちを伝える場でもあります。
だからこそ、挨拶回りのマナーを知り、失礼なく、かつスムーズに進めることが、結婚式全体の成功にもつながるのです。
特に、遠方から来てくださった方や、日頃なかなか会えない方にとっては、この挨拶回りが新郎新婦との大切なコミュニケーションの機会となります。
なぜ挨拶回りは大切なのか？
結婚式における挨拶回りは、ご列席いただいたゲストへの感謝の気持ちを直接伝える最も大切な機会の一つです。
メールや手紙での連絡ももちろん丁寧ですが、顔を見て直接「来てくれてありがとう」と伝えることには、何物にも代えがたい温かさがあります。
ゲストは新郎新婦を祝福するために、貴重な時間とお金をかけて式場まで足を運んでくださっています。
その労力や想いに対し、新郎新婦が感謝の気持ちをしっかりと示すことは、人として、そして夫婦として、これからお世話になる方々との関係を築いていく上で非常に重要です。
また、挨拶回りは、普段なかなか交流できない両家の親族や、仕事関係の方々と顔を合わせ、改めて自己紹介や感謝を伝える場でもあります。
特に新郎新婦のそれぞれのゲストに対して、パートナーを紹介する機会でもあり、今後の親戚付き合いや社会生活における円滑な人間関係を築く第一歩となります。
形式的な挨拶ではなく、一人ひとりの顔を見て、心を込めて言葉を交わすことで、ゲストは「来てよかった」と感じ、新郎新婦への祝福の気持ちがより一層深まるでしょう。
挨拶回りは、新郎新婦にとって、結婚という新たな門出を、周りの大切な人たちと共に喜び合うための欠かせない時間なのです。
挨拶回りの基本的な流れとタイミング
結婚式での挨拶回りは、披露宴中の歓談時間や、お色直しで席を外している間など、プログラムの合間を縫って行うのが一般的です。
最も多いのは、披露宴が始まって乾杯が済んだ後の歓談時間です。
ゲストが食事や飲み物を楽しんでいる比較的リラックスした雰囲気の中で、各テーブルを回って挨拶をします。
このタイミングは、主賓挨拶や余興などの大きなプログラムの合間になることが多く、比較的時間を確保しやすいからです。
ただし、料理が運ばれてきた直後や、ゲストがスピーチを聞いている最中など、相手の手を止めてしまうようなタイミングは避けるのがマナーです。
また、お色直しのために一時退場する前や、再入場の後に少し時間を設けるカップルもいます。
事前にウェディングプランナーさんと相談し、当日のタイムスケジュールに合わせた最適な挨拶回りの時間を決めておくことが非常に重要です。
テーブルラウンドの形で挨拶と写真撮影を兼ねて行う場合もありますが、その場合も各テーブルでの滞在時間などを事前に計画しておくとスムーズです。
限られた時間で効率よく、かつ丁寧な挨拶をするためには、どのタイミングでどのテーブルを回るか、おおまかなルートや優先順位を決めておくと良いでしょう。
例えば、遠方からのゲストや高齢の親族、主賓など、特に丁寧な挨拶をしたい方々のテーブルを優先的に回るなどの工夫が考えられます。
相手別・シーン別！失礼にならない挨拶のコツ
結婚式の挨拶回りは、相手によって言葉遣いや態度を変えることが大切です。
親族、会社関係者、友人など、ゲストとの関係性は様々であり、それぞれの立場や状況に合わせた配慮が求められます。
例えば、親族には感謝とともに今後の親戚付き合いをお願いする気持ちを伝え、会社の上司や主賓には日頃の指導への感謝と今後の仕事への意欲を示すなど、相手に合わせた丁寧な言葉選びが重要になります。
また、披露宴中の限られた時間の中で、多くのゲストに挨拶をするためには、効率的に回る工夫も必要ですが、それ以上に一人ひとりとの短い時間でも、心を込めて向き合う姿勢が何よりも大切です。
テーブルに着いた際には、まずは笑顔でアイコンタクトを取り、「本日はお忙しい中、私たちの結婚式にご列席いただき、誠にありがとうございます」といった基本的な感謝の言葉を伝えます。
その上で、相手との関係性に応じた一言を添えることで、よりパーソナルで温かい挨拶になります。
例えば、恩師には「先生のおかげで今日を迎えることができました」、友人には「遠くから駆けつけてくれて本当に嬉しいよ」など、具体的なエピソードや感謝の気持ちを伝えることで、相手に「自分のことを大切に思ってくれているんだな」と感じてもらうことができます。
親族や会社関係者への丁寧な挨拶
親族への挨拶回りは、両家の結びつきを深める大切な機会です。
特に、普段あまり会う機会のない遠方の親族や、高齢の親族の方々には、丁寧な言葉遣いを心がけましょう。
テーブルに近づいたら、まずは丁寧にお辞儀をし、全員の顔を見て笑顔で挨拶をします。
「本日はお忙しい中、私たちのために遠方よりお越しいただき、誠にありがとうございます。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
」といった感謝と今後の付き合いをお願いする言葉が基本です。
親族の場合、新郎新婦のどちらかの親戚である場合がほとんどですから、相手との具体的な関係性（例：「〇〇おじ様、〇〇おば様」）を呼びかけながら挨拶すると、より親近感が湧き、丁寧な印象を与えます。
また、事前に親御さんから親族の紹介を受けておくと、スムーズに挨拶ができます。
会社関係者、特に主賓や上司への挨拶は、今後の仕事にも関わるため、より一層丁寧な対応が必要です。
テーブルに伺う際は、背筋を伸ばし、きちんとした姿勢で臨みましょう。
「本日はご多忙の中、ご列席いただき、誠にありがとうございます。
また、日頃より大変お世話になっております。
〇〇部長には、入社以来ご指導いただき、心より感謝しております。
今後とも一層仕事に邁進してまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
」のように、具体的な感謝の言葉と今後の抱負を伝えると良いでしょう。
会社の上司や同僚には、結婚報告の際にいただいたお祝いへのお礼を改めて伝えるのも丁寧な姿勢を示す上で効果的です。
短い時間でも、誠意をもって感謝を伝えることが、失礼なく、良い関係性を保つ秘訣です。
友人や恩師への心温まる挨拶
友人や恩師への挨拶回りは、親族や会社関係者への挨拶とは少し異なり、よりパーソナルな感謝の気持ちを伝える場です。
形式張った言葉だけでなく、これまでの思い出や、結婚式に来てくれたことへの素直な喜びを言葉にすることで、心温まる挨拶になります。
友人のテーブルでは、リラックスした雰囲気で「今日は来てくれて本当にありがとう！みんなのおかげで最高の一日になったよ」といった感謝の気持ちを伝えます。
特に遠方から来てくれた友人には、「遠いところから本当にありがとうね、無理させてごめんね」といった労いの言葉を添えると、相手は「自分のことを気遣ってくれているんだな」と感じ、嬉しく思うはずです。
学生時代の友人や、社会人になってからの友人など、グループによって話題を変えるのも良いでしょう。
共通の思い出話に触れたり、「みんなに会えて本当に嬉しいよ」と素直な気持ちを伝えることで、和やかな雰囲気になります。
恩師への挨拶は、学生時代にお世話になった感謝を伝える大切な機会です。
「〇〇先生、本日はご多忙の中、私たちの結婚式にご列席いただき、誠にありがとうございます。
〇〇先生には、学生時代に〇〇のことで大変お世話になり、今の自分があるのは先生のおかげだと感謝しております。
今後とも、ご指導いただければ幸いです。
」のように、具体的なエピソードを交えながら感謝を伝えると、先生もきっと喜んでくださいます。
友人や恩師への挨拶は、これまでの関係性を振り返り、今後の変わらぬお付き合いをお願いする気持ちを伝える場でもあります。
短い時間でも、一人ひとりに心を込めて話しかけることが、失礼なく、感謝の気持ちを伝える最も効果的な方法です。
挨拶回りのよくある悩みとスムーズに進める工夫
結婚式の挨拶回りは、感謝を伝える大切な時間である一方、当日の忙しさの中で「ちゃんと全員に挨拶できるかな」「食事の時間がなくなっちゃうかも」「写真撮影と両立できるかな」といった悩みがつきものです。
特に、披露宴のプログラムは分刻みで進むことが多く、限られた時間の中で多くのゲストに挨拶をするのは簡単ではありません。
しかし、いくつかの工夫をすることで、これらの悩みを解消し、スムーズかつ失礼なく挨拶回りを進めることが可能です。
例えば、事前にゲストリストを見ながら、テーブルごとの人数や、特に丁寧な挨拶をしたい方をリストアップしておくと、当日の動きがイメージしやすくなります。
また、ウェディングプランナーさんや会場のスタッフと密に連携を取り、挨拶回りに最適なタイミングや、各テーブルを回るのにかかる時間などを相談しておくことも重要です。
当日の進行に合わせて、柔軟に挨拶回りの計画を調整できる体制を整えておくことが、慌てずに済む秘訣です。
さらに、新郎新婦だけでなく、両家の親御さんにも協力をお願いし、一緒に挨拶回りをしたり、挨拶ができなかったゲストへのフォローをお願いしたりするのも良い方法です。
食事・歓談・写真撮影との両立
結婚式の披露宴中は、美味しい料理が運ばれ、ゲスト同士の歓談も弾み、さらに記念写真の撮影など、様々なことが同時に進行します。
その中で挨拶回りをスムーズに行うためには、計画性が非常に重要です。
まず、挨拶回りの時間を確保するために、披露宴のプログラム全体の時間配分をプランナーさんとしっかり打ち合わせることが大切です。
食事中に全てのテーブルを回ろうとすると、ゲストの手を止めてしまう可能性がありますし、新郎新婦自身もゆっくり食事ができません。
理想的には、料理が一段落したタイミングや、お色直し後の再入場後など、比較的ゲストが自由に歓談している時間帯を狙うのが良いでしょう。
しかし、全てのゲストに完璧なタイミングで挨拶するのは難しいため、ある程度の柔軟性も必要です。
どうしても食事中に挨拶をする場合は、「お食事中失礼いたします」と一言添えるなど、相手への配慮を忘れずに行いましょう。
写真撮影を兼ねるテーブルラウンドを行う場合は、各テーブルでの滞在時間をあらかじめ決めておき、時間を守るよう意識することが大切です。
例えば、「各テーブルで写真撮影を含めて3分以内」のように目安を設けておくと、全体の時間を把握しやすくなります。
また、全てのゲストとじっくり話す時間は取れないことを理解し、短い時間でも笑顔でアイコンタクトを取り、心を込めて感謝を伝えることに重点を置きましょう。
食事や歓談の時間を完全に犠牲にする必要はありませんが、挨拶回りを優先する時間帯を設けるなど、メリハリをつけることが両立の鍵となります。
忙しい中で心を伝える言葉選び
結婚式当日は、想像以上に忙しく、一つのテーブルでゆっくり話し込む時間はなかなか取れません。
そのため、短い時間でも相手に感謝の気持ちと誠意を伝える言葉選びが非常に重要になります。
形式的な挨拶だけでなく、相手との関係性に応じたパーソナルな一言を添えることで、挨拶はより心に響くものになります。
「本日はお忙しい中、私たちの結婚式にご列席いただき、誠にありがとうございます」という基本的な感謝の言葉に加えて、例えば会社の上司には「〇〇部長には、日頃から大変お世話になっております。
今後ともご指導のほどよろしくお願いいたします」、親しい友人には「〇〇、今日は本当にありがとう！〇〇に会えてすごく嬉しいよ」、遠方からの親族には「〇〇さん、遠いところから本当にありがとうございます。
お元気そうで安心しました」など、具体的な状況や関係性を示す言葉を添えましょう。
また、相手の名前を呼んで話しかけることも、相手に「自分のことを大切に思ってくれている」と感じてもらう上で効果的です。
言葉遣いは、親族や会社関係者には丁寧語・謙譲語を使い、友人には親しい言葉遣いをするなど、相手に合わせて使い分けます。
時間が限られているからといって早口になったり、上の空になったりせず、一人ひとりの目を見て、心を込めて話すことが何よりも大切です。
言葉だけでなく、明るい笑顔と丁寧なお辞儀も、感謝の気持ちを伝える上で重要な要素です。
短い言葉でも、心を込めて伝えることで、ゲストは新郎新婦の誠意を感じ取り、祝福の気持ちを一層強くしてくれるでしょう。
まとめ：心温まる結婚式にするために
結婚式の挨拶回りは、新郎新婦からゲストへの感謝を伝える、かけがえのない時間です。
この時間を大切にすることで、結婚式はより一層、心温まる思い出深い一日となります。
失礼なく、スムーズに挨拶回りを進めるためには、事前の準備と当日の少しの工夫が鍵となります。
誰に、いつ、どのような言葉で感謝を伝えるか、おおまかな計画を立てておき、ウェディングプランナーさんとも連携を取りながら、当日の流れに合わせた最適なタイミングを見つけることが重要です。
親族や会社関係者には丁寧な言葉遣いで日頃の感謝と今後のお願いを伝え、友人や恩師にはこれまでの思い出や素直な喜びを伝えることで、それぞれの関係性に合わせた温かい挨拶ができます。
忙しい中でも、一人ひとりの目を見て、心を込めて話しかけること、そして相手の名前を呼んで感謝を伝えることは、短い時間でも誠意を伝えるための効果的な方法です。
食事や写真撮影との両立に悩むこともあるかもしれませんが、完璧を目指しすぎず、限られた時間の中でできる限りの感謝を伝えるという気持ちで臨むことが大切です。
結婚式は、新郎新婦にとって新たな人生のスタートであり、これまで支えてくれた大切な人たちへの感謝を形にする場です。
この記事でご紹介した挨拶回りの方法が、皆さまの結婚式をより温かく、ゲストにとっても忘れられない素晴らしい一日とするための一助となれば幸いです。
心からの「ありがとう」を伝え、最高の結婚式を迎えてください。
