結婚式にお招きされた時、喜びと同時に「どんな準備をすればいいんだろう?」「マナーって難しそう…」と少し不安になる方もいらっしゃるかもしれません。
特に初めて参列する場合や、久しぶりの結婚式という場合は、結婚式出席マナー参列前に確認する基本事項をしっかりと把握しておくことが大切です。
新郎新婦にとって一生に一度の大切な一日を、ゲストとして心から祝福し、気持ちよく過ごすためには、事前の準備と当日の振る舞いが鍵となります。
このガイドでは、結婚式参列にあたって知っておきたい基本的なマナーや確認事項を、分かりやすく丁寧にご紹介します。
これを読めば、安心して結婚式当日を迎えられるはずです。
結婚式に招かれたらまず確認!参列前の基本準備
結婚式の招待状が届いたら、まず何から始めれば良いのでしょうか。
素敵な一日を滞りなく過ごすためには、いくつかの基本的な確認と準備が必要です。
ここを怠ると、後々慌てたり、新郎新婦に迷惑をかけてしまったりする可能性もゼロではありません。
まずは、招待状を隅々まで丁寧に確認し、返信から始めるのが最初のステップです。
招待状には、会場の場所や日時、ドレスコードなど、重要な情報が詰まっています。
これらの情報を正確に把握することが、その後の準備をスムーズに進めるための土台となります。
また、遠方からの参列の場合は、交通手段や宿泊の手配も早めに行う必要があります。
新郎新婦への配慮として、これらの準備を迅速に進めることは、参列の意思をしっかりと伝えることにも繋がります。
招待状の確認と返信、会場と時間の確認
結婚式の招待状を受け取ったら、まずは隅から隅までじっくりと目を通しましょう。
差出人の名前、新郎新婦の名前、挙式・披露宴の日時、会場の名称と住所などが記載されています。
特に重要なのは、返信期日、挙式と披露宴それぞれの開始時間、そして会場の正確な場所です。
返信はがきには、出席・欠席の他に、アレルギーや苦手な食材について記入する欄が設けられている場合もあります。
これは、新郎新婦がゲストのために心を込めてお料理を選んだり、席次を決めたりする上で非常に大切な情報源となります。
もしアレルギーがある場合は、詳細を具体的に記入しましょう。
例えば、「甲殻類アレルギー」だけでなく、「エビ・カニがNG」といった具体的な食材名を記載すると、会場側もより正確な対応ができます。
また、特に記載がなくても、どうしても食べられないものがある場合は、返信はがきに付箋をつけたり、新郎新婦に個別に連絡したりして伝えておくと親切です。
返信はがきの投函は、期日よりも早めに行うのがマナーです。
受け取ってから2~3日以内、遅くとも1週間以内には返信するのが理想的です。
出席する場合も欠席する場合も、速やかに返信することで、新郎新婦は最終的な人数を把握しやすくなります。
会場の場所については、住所だけでなく、最寄りの駅やバス停、駐車場があるかどうかも確認しておくと安心です。
Googleマップなどで事前にルート検索をしておくと、当日迷う心配がありません。
服装と持ち物:ゲストとしての基本マナー
結婚式に参列する際の服装は、ゲストの立場や新郎新婦との関係性によっても多少異なりますが、基本的なマナーは共通しています。
最も大切なのは、「お祝いの気持ち」を表し、新郎新婦よりも目立たないように配慮することです。
女性の場合、昼間の披露宴では肌の露出は控えめにし、肩が出るデザインのドレスには必ずボレロやストールを羽織るのが一般的です。
白や全身黒のコーディネートは避けるべき色の代表例です。
白は花嫁の色であり、黒は弔事を連想させるためです。
ただし、黒いドレスでも、明るい色の小物(バッグや靴、アクセサリー)を合わせることでお祝いの席にふさわしい装いにすることができます。
男性の場合は、ブラックスーツやダークカラーのスーツが基本です。
ネクタイは白やシルバーなどの慶事用にふさわしい色を選びましょう。
アニマル柄や派手すぎるデザインは避けるのが無難です。
靴は、男女ともに清潔感のあるフォーマルなものを選びます。
女性はヒールの高いパンプスが一般的ですが、会場内での移動や長時間の立ちっぱなしを考慮して、歩きやすい高さのものを選ぶと安心です。
持ち物としては、ご祝儀、招待状(受付で提示を求められる場合があります)、ハンカチ、袱紗(ふくさ)、サブバッグ、メイク直し用のコスメなどが必要です。
意外と忘れがちなのが、予備のストッキングや絆創膏です。
慣れないヒールで靴擦れを起こしたり、ストッキングが伝線したりすることはよくあります。
小さなポーチに忍ばせておくと、いざという時に役立ちます。
また、スマートフォンやモバイルバッテリーも必需品と言えるでしょう。
ご祝儀の準備と受付での対応
結婚式のご祝儀は、新郎新婦へのお祝いの気持ちと、これからの新しい生活を応援する気持ちを形にしたものです。
金額は、新郎新婦との関係性(友人、親族、会社の上司・同僚など)や、年齢、地域によって相場が異なりますが、一般的には友人の場合3万円、いとこなどの親族は3万円~5万円、会社関係の場合は役職などによって異なりますが、3万円が目安とされています。
偶数や「4」「9」といった忌み数を避けるのがマナーですが、最近では「2万円」をペアとして捉えたり、割り切れる数でも「夫婦円満」を連想させるとして許容されるケースもあります。
ただし、心配な場合は奇数にするのが無難です。
ご祝儀袋は、金額に合わせて選びます。
3万円程度であれば、水引が「結び切り」または「あわじ結び」で、のしが付いたものを選びます。
表書きは「御結婚御祝」とし、自分の氏名を毛筆や筆ペンでフルネームで書きます。
中袋には、氏名、住所、包んだ金額を記載します。
金額は旧字体(壱、弐、参など)で書くのがより丁寧です。
新札を用意するのがマナーとされています。
銀行などで事前に両替しておきましょう。
ご祝儀袋は、当日まで袱紗に包んで持ち運びます。
受付で渡す際に袱紗から取り出し、両手で渡します。
受付では、まずお祝いの言葉を述べ、氏名を名乗ります。
「本日は誠におめでとうございます。
〇〇(自分の氏名)です。
」と、はっきり伝えることが大切です。
ご祝儀を渡す際は、袱紗から取り出し、相手側から見て表書きが読める向きにして渡します。
記帳を求められたら、丁寧に氏名と住所を記入しましょう。
披露宴・挙式中の振る舞いと気をつけたいこと
結婚式の当日は、挙式や披露宴を通してさまざまな場面があります。
それぞれのシーンにおいて、ゲストとしてどのように振る舞うべきかを知っておくことは、新郎新婦や他のゲストに気持ちよく過ごしてもらうために非常に重要です。
特に、写真撮影やSNSへの投稿、食事中のマナーなどは、時代とともに変化している部分もあり、最新の情報や周囲への配慮が求められます。
また、挙式中は厳かな雰囲気の中で進行するため、私語を慎んだり、スマートフォンの電源を切ったりするなど、より一層の注意が必要です。
披露宴では、食事や歓談を楽しむ場ですが、ここにもいくつかのマナーが存在します。
周囲の人とのコミュニケーションを大切にしつつ、節度ある行動を心がけましょう。
挙式・披露宴中のマナーあれこれ
挙式は、新郎新婦が永遠の愛を誓う神聖な儀式です。
教会式、神前式、人前式などスタイルは様々ですが、いずれの場合も厳粛な雰囲気の中で執り行われます。
ゲストは開式の15分前までには着席し、静かに待ちましょう。
挙式中は、私語は厳禁です。
スマートフォンの電源は必ず切るか、マナーモードにしておきましょう。
特に、シャッター音や着信音は式の妨げとなります。
写真撮影や動画撮影については、許可されている場合とされていない場合があります。
事前に確認し、許可されている場合でも、フラッシュの使用や移動しながらの撮影など、式の進行を妨げたり、他のゲストの迷惑になったりする行為は控えましょう。
新郎新婦の誓いの言葉や指輪交換など、重要なシーンでは特に集中して見守るのがマナーです。
披露宴は、挙式とは異なり、お祝いムードの中で食事や歓談を楽しむ場です。
席に着いたら、ナプキンは二つ折りにして膝の上に置きます。
食事は、乾杯の発声があってからいただくのがルールです。
ナイフやフォークは外側から順番に使っていきます。
会話をする際は、大きな声で笑ったり話したりするのは避け、周囲に配慮しましょう。
お酌をする際は、グラスの八分目くらいまで注ぐのが目安です。
また、自分がお酌をしてもらった際は、すぐに飲み干す必要はありませんが、グラスを空にしてから注いでもらうのがスマートです。
席を立つ際は、ナプキンを軽くたたんで椅子の上に置きます。
これは「食事中」のサインとなります。
食事が全て終わった際は、ナプキンを無造作に置くのではなく、きれいにたたんでテーブルの上に置きます。
写真撮影やSNS投稿の注意点
結婚式では、新郎新婦はもちろん、美しい会場や美味しい料理など、記念に写真を撮りたくなる場面がたくさんあります。
しかし、写真撮影やSNSへの投稿に関しては、いくつかの注意が必要です。
まず、挙式中の写真撮影は、会場や新郎新婦の方針によって制限されている場合があります。
フラッシュが禁止されていたり、指定された場所以外での撮影が禁止されていたりすることもありますので、事前に確認するか、会場スタッフの指示に従いましょう。
披露宴中も、新郎新婦がメインの場面(ケーキ入刀やファーストバイトなど)で、最前列に出て行って撮影したり、通路を塞いでしまったりする行為は、プロのカメラマンや他のゲストの迷惑になる可能性があります。
席から立ち上がって撮影する場合は、周囲への配慮を忘れないようにしましょう。
SNSへの投稿に関しては、特に注意が必要です。
新郎新婦はもちろん、他のゲストの顔が写り込んでいる写真を無断で公開するのはプライバシー侵害にあたる可能性があります。
投稿する前に、写っている人全員に許可を取るのが最も丁寧な対応です。
特に、子供の顔写真などは、保護者の許可なく公開するのは絶対に避けましょう。
また、会場の雰囲気や料理の写真を投稿する際も、会場によっては撮影・投稿が制限されている場合があるため、事前に確認しておくと安心です。
最近では、結婚式の様子をリアルタイムでSNSにアップすることを新郎新婦が許可している場合もありますが、基本的には、新郎新婦が正式な報告をするまでは、詳細な内容や顔出しの写真を投稿するのは控えるのが無難です。
食事や歓談、喫煙に関する配慮
披露宴での食事は、ゲストへのおもてなしの一つです。
提供されたお料理は、残さずに美味しくいただくのがマナーです。
もし、アレルギーや苦手な食材がある場合は、前述の通り事前に新郎新婦や会場に伝えておきましょう。
食事中に席を立つ必要がある場合は、同席している人に一言声をかけてから立ちましょう。
また、スマートフォンを操作しながらの食事や、大きな音を立てて食べるのはマナー違反です。
他のゲストとの歓談も披露宴の楽しみの一つですが、新郎新婦や親族に関するデリケートな話題や、他のゲストのプライベートに関わる話題は避けるのが賢明です。
話題を選ぶ際は、お祝いの気持ちを伝えることや、和やかな雰囲気を保つことを意識しましょう。
また、他のゲストが話している最中に割り込んだり、一方的に話し続けたりするのも失礼にあたります。
相手の話をしっかりと聞き、会話のキャッチボールを楽しみましょう。
喫煙に関しては、多くの結婚式場では喫煙スペースが設けられています。
指定された場所以外での喫煙は絶対にやめましょう。
また、喫煙スペースを利用する際も、他の利用者がいる場合は譲り合ったり、会話をしたりする際は周囲への配慮が必要です。
タバコの臭いが苦手な人もいるため、喫煙後は消臭スプレーを利用したり、少し時間をおいてから席に戻るなどの配慮があるとより丁寧です。
会場によっては、完全禁煙の場合もありますので、事前に確認しておくと安心です。
もしもの時の対応と遠方からの参列
結婚式への参列を決めた後で、やむを得ない事情で出席できなくなってしまったり、遅刻してしまったりする可能性もゼロではありません。
また、遠方から参列する場合は、通常とは異なる準備や確認が必要です。
これらの「もしも」の事態や、特別な状況への対応についても、あらかじめ知っておくことで、慌てずに適切な行動を取ることができます。
新郎新婦に迷惑をかけず、失礼なく対応するためにも、これらのマナーを理解しておくことは非常に大切です。
特に、急な変更が生じた場合の連絡は、迅速かつ丁寧に行うことが求められます。
急な欠席や遅刻の連絡方法
招待状で出席と返信した後に、やむを得ない事情(病気、身内の不幸、仕事での緊急対応など)で結婚式に出席できなくなってしまった場合は、分かった時点ですぐに新郎新婦に連絡を入れるのが鉄則です。
電話で直接伝えるのが最も誠意が伝わりますが、新郎新婦が準備で忙しい時期であることを考慮し、まずはメールやメッセージアプリで一報を入れ、「追って改めてお電話します」と伝えても良いでしょう。
連絡する際は、欠席することへのお詫びと、結婚式に出席できないことへの残念な気持ちを丁寧に伝えましょう。
欠席の理由は、差し支えなければ伝えても構いませんが、詳細を話す必要はありません。
特に、慶事の場にふさわしくない不幸事に関する理由は、ぼかして伝えるのが一般的です。
「やむを得ない事情で」といった表現で十分です。
結婚式の直前、特に前日や当日の欠席は、料理や引き出物などの準備に影響が出るため、新郎新婦に大きな迷惑をかけてしまいます。
この場合は、後日改めてお祝いの品を送ったり、改めてお祝いの席を設けたりするなど、丁寧なフォローをすることが大切です。
ご祝儀については、欠席の場合でも贈るのがマナーとされています。
披露宴の料理や引き出物など、本来かかるはずだった費用を考慮し、当初予定していた金額の3分の1から半額程度を贈るのが一般的です。
こちらも、後日改めてお祝いの言葉とともに渡すか、現金書留などで送ります。
遅刻の場合も、分かった時点ですぐに新郎新婦に連絡を入れ、到着予定時間を伝えましょう。
会場に到着したら、受付担当者や会場スタッフに遅刻した旨を伝え、指示を仰ぎましょう。
挙式中であれば、式が終わるまで静かに待つように案内されることが多いです。
遠方からの参列で事前に確認すること
遠方から結婚式に参列する場合、移動や宿泊の手配など、通常よりも多くの準備が必要です。
まず、最も重要なのは交通手段の手配です。
飛行機や新幹線を利用する場合は、早めに予約することで割引運賃を利用できる場合があります。
結婚式の開始時間から逆算して、余裕を持って会場に到着できるようなスケジュールを立てましょう。
前泊が必要な場合は、宿泊先の手配も忘れてはいけません。
結婚式場と提携しているホテルがあるか、新郎新婦がゲストのために部屋を確保してくれているかなどを事前に確認してみるのも良いでしょう。
宿泊費や交通費の一部を新郎新婦が負担してくれる「お車代」や「御礼」がある場合もありますが、これは新郎新婦の厚意によるものなので、期待するのではなく、もしいただけたら感謝の気持ちを伝えるようにしましょう。
自分から「お車代は出ますか?」などと尋ねるのは失礼にあたります。
もし、新郎新婦から「交通費や宿泊費について何か希望はありますか?」などと聞かれた場合は、正直に伝えても構いませんが、基本的にはお任せするのがマナーです。
荷物が多い場合は、事前に会場やホテルに送っておくと当日が楽になります。
特に、着替えやフォーマルな靴などは、シワにならないように注意して梱包しましょう。
また、遠方からの参列の場合、二次会に参加するかどうかも早めに検討し、新郎新婦に伝えておくと親切です。
二次会会場への移動手段や、二次会後の帰宅手段(終電の時間など)も確認しておきましょう。
まとめ
結婚式への参列は、新郎新婦の人生の門出を祝い、感動を分かち合う素晴らしい機会です。
当日を心から楽しむためには、事前の準備と基本的なマナーをしっかりと理解しておくことが何よりも大切です。
招待状への丁寧な返信から始まり、会場の場所や時間の確認、そしてご祝儀や服装、持ち物の準備まで、一つ一つのステップを丁寧に進めましょう。
特に、服装は慶事の場にふさわしいものを選び、白一色や全身黒、過度な露出は避けるなど、基本的なルールを守ることが重要です。
ご祝儀は新札を用意し、袱紗に包んで持参するのがマナーです。
受付では、お祝いの言葉とともに氏名をはっきりと伝え、スマートに渡しましょう。
挙式や披露宴中は、新郎新婦や他のゲストへの配慮を忘れずに、静かに見守ったり、会話を楽しんだり、食事をいただいたりします。
写真撮影やSNSへの投稿は、プライバシーに配慮し、許可された範囲内で行うことが大切です。
もし、急な事情で欠席や遅刻をする場合は、速やかに新郎新婦に連絡し、誠意をもって対応しましょう。
遠方からの参列の場合は、交通や宿泊の手配を早めに行い、新郎新婦の負担にならないよう配慮することが求められます。
これらの基本的なマナーや確認事項を押さえておけば、安心して結婚式当日を迎えられ、心から新郎新婦をお祝いできるはずです。
何よりも大切なのは、お二人の幸せを願う気持ちです。
マナーは、その気持ちを形にして伝えるための手段だと考えれば、自然と適切な振る舞いができるでしょう。
このガイドが、皆様が素敵な結婚式を過ごすための一助となれば幸いです。