ご祝儀袋マナー選び方や書き方の基本を解説

結婚式の招待状を受け取ったら、まず準備を始めるのがご祝儀袋ですよね。
「どんな袋を選べばいいの?」「名前や金額はどこにどう書くの?」「渡し方にマナーはあるの?」など、初めての方はもちろん、何度か経験がある方でも迷ってしまうことは多いものです。
せっかくのお祝いの気持ちを伝えるものですから、失礼なく、スマートに準備したいですよね。
この記事では、そんな不安を解消するために、ご祝儀袋マナー選び方や書き方の基本を解説します。
基本的なことから知っておくべき応用知識まで、一つずつ丁寧にご説明しますので、ぜひ最後まで読んで、自信を持って晴れの日を迎えられるように準備を進めてください。

目次

結婚式のご祝儀袋「選び方」の基本とマナー

ご祝儀袋は、お祝いの気持ちを目に見える形にした大切なアイテムです。
たくさんの種類があって迷ってしまいますが、選び方にはいくつかの基本的なルールがあります。
このルールを知っておけば、贈る相手や渡すシーンにふさわしい一品を選ぶことができます。
デザインだけでなく、水引や熨斗の意味を理解することが、正しいご祝儀袋選びの第一歩です。
また、包む金額や相手との関係性によって適切な袋は異なりますので、それぞれのポイントを押さえていきましょう。

ご祝儀袋の種類とデザインの選び方

結婚式のご祝儀袋は、主に紅白や金銀の色合いで、華やかな装飾が施されています。
デザインは非常に豊富で、伝統的な和紙を使ったものから、モダンなデザイン、水引細工が凝ったものまで様々です。
選ぶ際には、まず結婚式という慶事であることに適したデザインを選びます。
例えば、水引が印刷されただけのシンプルなものから、豪華な立体的な水引飾りがついたものまでありますが、一般的に金額が高くなるにつれて、より豪華で上質な袋を選ぶのがマナーとされています。
友人の結婚式で3万円を包む場合と、親族の結婚式で10万円を包む場合では、ふさわしい袋の格が変わってきます。
最近では、可愛らしいデザインや、和装・洋装に合わせたデザインなどもありますが、派手すぎたり、カジュアルすぎるデザインは避けるのが無難です。
相手の雰囲気や式のスタイルに合わせて選ぶのも良いですが、基本的にはフォーマルな場にふさわしい、上品なデザインを選びましょう。
特に目上の方への場合は、より伝統的で格式のあるデザインを選ぶ方が丁寧な印象を与えます。

水引と熨斗の意味を知って正しく選ぶ

ご祝儀袋には欠かせないのが「水引」と「熨斗(のし)」です。
これらにはそれぞれ大切な意味があります。
まず水引の結び方ですが、結婚式では「結び切り」または「あわじ結び」を選びます。
これは「一度結んだらほどけない」という意味が込められており、「結婚が一度きりでありますように」という願いが込められています。
蝶結びは「何度でも結び直せる」という意味なので、出産祝いやお年玉など、何度あっても嬉しいお祝い事に使われます。
結婚式では絶対に避けてください。
水引の色は、紅白や金銀が一般的です。
本数は5本、7本、10本などがあり、金額が多いほど本数が増え、豪華になります。
10本は5本を二重にしたものと考えられ、最も丁寧とされます。
次に熨斗ですが、これは慶事の贈答品に添える飾りのことで、元々はアワビを薄く伸ばして乾燥させた「のしあわび」を模したものです。
のしあわびは長寿の象徴であり、縁起物とされています。
ご祝儀袋には、右上にこの熨斗の飾りがついています。
熨斗がついているのは慶事用の袋であり、弔事用の袋にはつきません。
水引の色や結び方、熨斗の意味を理解して、用途に合った正しいご祝儀袋を選びましょう。

贈る金額と相手に合わせた袋選びのコツ

ご祝儀袋を選ぶ上で、最も重要なポイントの一つが「包む金額」です。
ご祝儀袋は、金額に見合った「格」のものを選ぶのがマナーとされています。
例えば、3万円を包むのにあまりにも豪華すぎる袋を選ぶのは不自然ですし、逆に5万円や10万円といった高額を包むのに、水引が印刷されただけの安価な袋を選ぶのは失礼にあたります。
一般的に、包む金額が1万円程度であれば水引が印刷された比較的シンプルなもの、3万円程度であれば水引が実際に結ばれているもの、5万円以上であれば水引の本数が多いものや、より豪華な装飾が施されたものを選ぶと良いでしょう。
目安としては、袋の値段が包む金額の1%程度と言われることもありますが、これはあくまで目安です。
また、贈る相手との関係性も考慮に入れるとより丁寧です。
友人や同僚であれば一般的なもので問題ありませんが、会社の上司や親族など、目上の方やより丁寧な気持ちを伝えたい相手には、少し格の高い袋を選ぶことを検討しましょう。
百貨店や専門店では、金額や用途を伝えれば適切な袋を選んでもらえますので、迷った際は店員さんに相談してみるのもおすすめです。

ご祝儀袋の「書き方」失敗しないための完全ガイド

ご祝儀袋を選んだら、次はいよいよ名前や金額を書く作業です。
普段あまり筆ペンを使う機会がない方にとっては、少し緊張する瞬間かもしれません。
しかし、書き方にもいくつかの基本的なルールとマナーがあります。
表書き、中袋、そして使う筆記具に至るまで、それぞれの正しい書き方を知っておけば、自信を持って準備を進めることができます。
ここでは、失敗しないためのご祝儀袋の書き方について、詳しく解説していきます。

表書きの基本ルールとNG例

ご祝儀袋の表書きは、袋の中央上段に「寿」「御結婚御祝」「御祝」といった名目を書きます。
最も一般的に使われるのは「寿」ですが、これはお祝い全般に使える言葉です。
結婚式であれば「御結婚御祝」と書くのがより丁寧で、特に目上の方への場合はこちらを選ぶと良いでしょう。
これらの文字は、水引の結び目の上に書きます。
そして、水引の下、中央には贈り主の氏名を書きます。
名字だけでも問題ありませんが、フルネームで書くのがより丁寧です。
夫婦で贈る場合は、夫の名前を中央に書き、その左隣に妻の名前を並べて書きます。
この際、二人の名前の高さは揃えるのが一般的です。
連名で贈る場合は、目上の方(または代表者)を右端に書き、そこから左へ順に氏名を書きます。
3名までであれば連名で書くことが多いですが、それ以上の人数の場合は、代表者の氏名と「外一同」と書き、別紙に全員の氏名リストを添えるのがマナーです。
文字は楷書で、濃い黒色の墨や筆ペンを使い、丁寧に書きましょう。
薄墨は弔事で使うものなので、慶事では絶対に避けてください。
また、ボールペンやサインペンも略式とされ、失礼にあたるため使用しないようにしましょう。
「寿」の文字を印刷された袋を使う場合でも、自分の名前は必ず手書きすることが重要です。

中袋・中包みの正確な書き方

ご祝儀袋には、お金を入れるための「中袋」や「中包み」が入っています。
この中袋・中包みにも、金額や住所、氏名を書く必要があります。
まず、金額は表面に書きます。
金額は旧字体(大字)で縦書きするのが正式な書き方です。
例えば、3万円であれば「金参萬圓」、5万円であれば「金伍萬圓」、10万円であれば「金拾萬圓」と書きます。
最近では「金参萬円」のように新字体で書くことも増えてきましたが、旧字体で書く方がより丁寧な印象を与えます。
金額の後に「也」をつけるか迷う方もいるかもしれませんが、「金参萬圓也」のように「也」をつけるのは昔の慣習で、現在はつけない方が一般的です。
裏面には、贈り主の郵便番号、住所、氏名を書きます。
これは、新郎新婦が後から整理したり、内祝いを送る際に必要になる情報ですので、正確に楷書で丁寧に書きましょう。
中袋がない場合は、お札を半紙などで包む「中包み」を使います。
この場合も、包み方のルールに従い、金額や住所氏名を記載します。
中袋や中包みは、表書きと同様に濃い黒色の筆記具で書きます。
ボールペンは避け、毛筆や筆ペンを使用するのがマナーです。

使う筆記具と文字の濃さのマナー

ご祝儀袋の書き方において、使う筆記具と文字の濃さは非常に重要なマナーです。
慶事である結婚式のご祝儀袋には、必ず濃い黒色の墨を使用します。
これは「喜びの気持ちをしっかりと表す」という意味が込められています。
具体的には、毛筆や筆ペンを使うのが一般的です。
筆ペンは使いやすく、最近では様々な種類が販売されていますので、一本用意しておくと便利です。
サインペンやボールペンは略式とされ、特に目上の方への場合は失礼にあたる可能性があるため避けるべきです。
文字は楷書で、丁寧に書きましょう。
行書や崩した字は読みにくく、失礼な印象を与えることがあります。
また、弔事で使用する薄墨は、「悲しみの涙で墨が薄まってしまった」という意味合いがあり、不幸があった際に使われます。
そのため、お祝い事である結婚式では絶対に薄墨を使用してはいけません。
万年筆の黒インクは使っても良いとされる場合がありますが、筆文字が最も丁寧な表現とされています。
練習用の半紙などで何度か書いてみて、バランスや濃さを確認してから本番に臨むと安心です。

ご祝儀袋の「渡し方」スマートなマナーと知っておきたいこと

ご祝儀袋の準備ができたら、あとは当日スマートに渡すだけです。
しかし、ここにもいくつかのマナーがあります。
せっかく心を込めて準備したご祝儀も、渡し方が適切でないと、相手に不快感を与えてしまう可能性もゼロではありません。
袱紗(ふくさ)の使い方から、受付でのスマートな渡し方、そして渡すタイミングまで、知っておくべきポイントを押さえておきましょう。

袱紗(ふくさ)の使い方と包み方

ご祝儀袋は、むき出しのまま持ち運んだり渡したりするのではなく、袱紗(ふくさ)に包むのが正式なマナーです。
袱紗は、ご祝儀袋を汚れや折れから守るだけでなく、「相手への敬意を表す」という意味合いがあります。
袱紗には様々な種類がありますが、結婚式などの慶事では、赤やエンジ、紫などの暖色系のものを選びます。
中でも紫色は慶弔どちらにも使えるため、一つ持っておくと非常に便利です。
包み方は、まず袱紗を広げ、菱形になるように置きます。
次に、袱紗の中央よりやや右寄りにご祝儀袋を表向きに置きます。
右、下、上の順に袱紗を折りたたみ、最後に左側を折って余った部分を内側に折り込みます。
この時、左側が上になるように包むのが慶事の包み方です。
弔事の場合は逆になります。
袱紗がない場合は、風呂敷やハンカチで代用することもありますが、無地のものを選び、袱紗と同様の包み方を心がけましょう。
受付でご祝儀を渡す際は、袱紗からご祝儀袋を取り出し、相手から見て正面になるように向きを変えて渡します。

受付での渡し方とタイミング

結婚式当日は、まず受付でご祝儀を渡します。
受付では、芳名帳への記帳をお願いされることが一般的です。
ご祝儀を渡すタイミングは、芳名帳への記帳の前か後か、会場によって異なる場合もありますが、一般的には記帳を済ませてから渡すことが多いようです。
受付の方に挨拶をしたら、まず芳名帳に記帳します。
その後、「本日は誠におめでとうございます」などとお祝いの言葉を述べながら、袱紗から取り出したご祝

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